約 3,643,318 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1881.html
331 :名無したんはエロカワイイ:2008/07/31(木) 10 59 58 ID fukPI9hM0 あー、ゆっくりで塊魂プレイしたい . . . . . . . . . . (なーなな ななーなーなーな なーなーななーな ずんずくずずんず どぅんどぅくどぅんどぅん) ---ゆっくりで塊魂--- 「……なんだこりゃあ」 魔法の森の近くをの小道を急ぎ足で歩いていた俺は、目を剥いた。 路上にゆっくりれいむが、ひと群れ。それ自体は珍しくもない。 おかしいのは、そいつらがベタベタとくっつきあって固まっていることだった。 「おまえらナニやってんの?」 「ゆっ、ゆぐぅぅう~」 「わかんないよ、くっついちゃったよ!」 「おにいさん、ゆっくり助けてね!」 バレーボール台のゆっくりれいむに、ピンポン玉ぐらいのやつがうじゃうじゃと八つか九つもくっついている。 たぶん家族だろう。母れいむはしきりに体をもぞつかせて子供たちを振り落とそうとするが、下手に動くと下側 の子れいむを潰してしまいそうなためか、思うように動けないらしい。 「ゆっ! ゆっ! んゅっッ! よーっはッとッ! へっぷほ!」 「おがあざぁぁん、おもいおもい!」 「つぶれるよ、ゆっくりうごかないでね!」 「……ぷっ」 その場で一人相撲をしているようなアホくさい母れいむの姿に、俺はふきだした。 「ぷっははははははは、ばっかじゃねーのおめーら、饅頭のお前らがそんなんなっちゃったら生きていかれねー だろ。ちょっとは考えて生きろよ!」 「そんなこと言わないでねぇぇぇぇ!」 母れいむは涙目でぶくぶく膨れる。ほっぺたの下のやつが潰されて悲鳴を上げる。 あー……。 陽気がすごいからなア。 おおかた家族でゆうゆうもたれあっているうちに、この猛暑で溶けてくっちいちゃったんだろう。 これは俺のせいじゃないからな。ゆっくりが勝手に苦労してるだけだ。 そばで眺めていたって、なんら罪ではない。 俺は、困り果ててぶるんぶるん回っているゆっくりれいむを、しばらく見物した。 ……十分ほどで飽きた。 「しゃーねえなあ、恨まれても寝覚めが悪いから、助けてやるよ」 「ゆっ、ほんとう?」 「さっさと助けてね! ふんふん!」 ナマイキなことをぬかしやがる母れいむを無視して、俺はそいつの頬に触れてやった。 ころん 「あれっ?」 母は後ろへ一回転する。「ゆべっ!」「うぎっ!?」と悲鳴を上げて子供たちがぺちゃんとつぶれ、母の肌に 張り付いた。 「何してんのお前、娘つぶれちゃったじゃん!」 「ゆぐぅぅぅぅ!? れいむの子どもがぁぁぁ!」 「じっとしてろよ、残った娘、殺したくないだろ?」 そう言って俺は、また手を伸ばした。 額に触れる。 ころんころんころん 「ゆぐぐぐぅ!」 母れいむは三回転した。その途中で石やら草やらも貼り付けてなんだか汚くなった。 「あっれぇ……」 俺は不思議に思った。 こいつ、ちょっと触っただけで、ボーリングの玉みたいにスムーズに転がりやがる。 なんか変なことになってんじゃないか……? ゆっぐゆっぐともがいている母れいむに歩み寄って、さらに押した。 ころころ、ごろろんっ 「ゆっぐりやめでねぇぇぇ!?」 「あは」 俺は笑った。 こいつ、坂を上ったぞ? しかも小枝や葉っぱをくっつけてさらに汚くなった。 ……これは面白い。 俺は母れいむの苦情を無視して、道なりにそいつを転がし始めた。 ころころん ころころん ころころころころん 一回押すたびに、五メートルほど転がって路肩で止まる。そのたびにそこら辺のものを吸いつけて、雪だるま のように大きくなる。 子供のころ、石蹴りってやったじゃん。 学校から家まで、これって決めた石をずっと蹴って歩いた。 別に石自体が好きなわけではないが、最初に決めたから、そいつを蹴り飛ばさなければならなかった。 そんな感じで、俺は目的地までひたすらころころと母を転がし始めた。 「やめでぇぇ!」 「ゆっくちちたいよぉぉ!」 おお、まだ子れいむも生きてんのか? 石やなんかでゴマ団子みたいにデコボコになった、五十センチほどの ゆっくり塊の中を覗き込むと、ちょうど他のものの隙間にハマったらしく、小さな赤いリボンの頭がぴょこぴょ こ動いていた。 「おまえ、運が良かったなあ。そこならずっと潰れないよ」 「はやくやめちぇねえぇぇぇ!」 「悪い、まだ二、三キロあるんだ」 母娘一匹ずつの悲鳴をBGMに転がし続けた。 少しいくと、面白いことが起こった。 川沿いに日光浴をしていた白黒のゆっくりまりさ家族。俺たちが近づくと振り向いて挨拶する。 「ゆっくりしていってね!!!」 「していってね!」 「しちぇっちぇね!」 次の瞬間、そばを通ったゆっくり塊に、そいつらは吸い寄せられた。 ひゅうん ぽぽぽぽむっ 「ゆっ!?」 「ゆっくりくっついたよ?」 「ゆっくりはなちてね!! はなちてっ! はなちぇはなちぇー!」 「ほう……」 俺は感心してあごを撫でた。 なるほど。 これではっきりした。ただの自然現象じゃない。母れいむは辺りのものを吸い寄せる力を身につけてしまった らしい。よく見れば外側の石やら木やらは、別段刺さってもいないのにくっついている。 俺がくっつかないのは謎だが、まあそんな細かいことはどうでもいい。 ひとつ、これがどこまで続くか試してみようか。 「よし、みんないっくぞー☆」 「やめでえぇぇぇぇぇぇ!?」 進めば進むほど、塊は大きくなった。道端にいたれいむ家族、木のうろから顔を出したぱちゅりー家族、通り すがりのちぇんやらん、近くを飛んでいたゆっくりゃやフランまで引き寄せた。八十センチ、一メートル、一メ ートル半。ゆっくり塊はどんどん大きくなった。 ひゅうん ぽむっ ひゅうん ぽむっ 「ゆっくりはなしてぇぇ!」 「はっはっは、そりゃ☆無理だ」 意味もなくハイテンションに笑いながら俺は答える。 これ、大きくなっても全然重さが増えない。 ころころと軽いままなのだ。不思議きわまる。 そして楽しい! 鼻歌を歌いながら俺は押して行き、目的地のアリス邸にたどりついた。 「ちわーっす、郵便です」 ああうん、言い忘れていたけど、俺配達人。肩掛けの郵袋も、これこの通り。いまどき徒歩で運ぶなんてレト ロだろう。 「あら、どうもありがとう」 玄関に出てきたアリスさんが微笑んだ。うむ美人だ。美人だらけの幻想郷の中でもこの人は群を抜いている。 いろいろ怪しい噂もあるが、そんなところも俺は好きだ。 そんなアリスさんが、俺の背後の塊を見てギョッとした。 「って、それは何!?」 無理もない。ゆっくり塊の大きさは、今では四メートルを越えている。 「ゆっくりはなしてね!」 「つぶれて顔がいたいよぉぉ!」 「いやっいやああぁぁ、れみり゛ゃぎらいーー!」 「うっうー! れみりゃを早くはなすんだどぉー!?」 数百のゆっくりがてんで勝手に悲鳴を上げている。驚かないほうがどうかしている。 「いやまぁ、なんといいますか、ただの拾いもんです」 俺はあいまいに答えた。 アリスさんは顔を引きつり気味にして、後ずさろうとした。 「な、なんだかわからないけれど、あんまり係わり合いになりたくないわね……きゃあっ!?」 ひゅうん ぽむっ 「おおお?」 俺は驚愕した。アリスさんまで塊に吸い寄せられ、くっついてしまったのだ。 「ちょっと、何するの! 離して、離しなさいよ!」 叫んどる叫んどる。美少女が拘束されて悲鳴を上げとる。 実にいい景色だ。――とか言ってる場合ではないか。 「すみません、それ外れないんですよ」 「なんですって?」 「俺が作ったんじゃないもんですから」 答えながら、俺はあることに気づいていた。 アリスさんのような有名妖怪まで引き付ける力があるのか、この塊は。 ということは―― もしかして、やりたい放題じゃないか!? 「……なーなな ななーなーなーな なーなーななーな ずんずくずずんず どぅんどぅくどぅんどぅん」 「なっ、なにを鼻歌なんか歌ってるの? 早くなんとか――」 「すんません。俺、ハジけます!」 「えっ? ってきゃあああああああ」 すってんころころ すってんころころ すってんころころ すってんころころ 俺は両手を使って勢いよく塊を押し始めた。 霧雨魔理沙、ゲット。 博麗霊夢、ゲット。 紅美鈴、ゲット。 「おいおいなんなんだこれはー! 霊夢、これなんだよ!」 「知らないわよ私だって、アリス、アリスー?」 「私は被害者よー!」 「離して、離してってば! 仕事中なのよ私は、このぉっ……ふんッ!」 「きゃあああああ!」 「ちょっこらっやめっ!」 「気功を使うなぁぁぁ!」 おーおーお、なんかビリビリしてえらい騒ぎになっとる。 そして当然―― 「ゆぎいいぃぃぃぃぃ!」 「いだいよぉおぉぉぉぉ!」 「皮がびりびりするよぉぉ!」 「んおおぉぉっ、んほっ、ほおぉぉぉぉ!」 ゆっくりたちも涙目で大騒ぎしている。中にはキモチよさそうなのもいるが。 ゆっくり魂の直径は六メートルになった。それでも止まらず、俺は幻想郷を駆け巡る。 「むぎゅぅぅ、苦しい……」 「咲夜、咲夜! 早く何とかして!」 「はっはい、ただいまっ! ふッ! ……時間を止めても外れない!?」 「ぴーっ、アタイこんなの趣味じゃないいぃ!」 なんか館の一部ごと飲み込んで、三十メートル。 「らんしゃま助けてぇぇぇ!?」 「ちぇぇぇん! くそっ、紫さま、紫さまぁぁ!?」 なんかよくわからないお屋敷みたいなものを巻き込んで五十メートル。 「うわあぁっ!? ちょっ、ちょっと今実験中よ!?」 「なんだこの……ハッ!」 「あちゃちゃダメです火はやめてください火は!」 「あっれー、これもしかして私が仕掛けたやつか?」 竹やぶと京屋敷みたいなもんをまるごと飲み込んで、百メートルつまり二十五階建てのビルぐらいになった塊 をころんころんと転がしていると、俺の目の前に来た兎耳の女の子が、ほっぺたポリポリかきながら言った。 おお、この人は。 「てゐさんじゃないスか。これ、あんたが?」 「昨日、ゆっくりに、いろんなものがくっついちゃう悪戯をして放り出しといたんだけど……」 「魔法の森の入り口あたりだったら、多分それっす」 「やっぱりかー」 「これ、どうしたら外れるんですか」 「それはねぇ……」 言いかけたとき、ぴゅうと風が吹いて塊がころころと転がった。 あ、あー……てゐさん、上のほうへ行っちゃったよ。 次いつ来るかわからんな。 というか、これがバラバラになったら、なんかただ事ではすまん気がする。 「ゆっくりさせでぇぇぇ!!」 「私もっ、私もゆっくりしたいわよッ!」 「このっ、もう我慢できない――マスタースパーク!」 「ゆぎゅぁぁぁ!」 「あっつぅぅぅこらっ魔理沙魔理沙!」 「ゆっぐぅうぅ、ゆぐぅぅぅぅ!!」 もう人間もゆっくりも関係ない。ひとつに丸まった人と妖怪と饅頭とガラクタの混合物が、もざもざわさわさ と動いて、悲鳴を上げたり、ビームを出したり、弾幕を放ったりしている。 「俺です」なんつったら、殺されるな、これは。 となると――。 「行けるところまで行くか!」 俺はさらにころころころころとゆっくり塊を転がし、幻想郷の森も川も山も湖も突っ切って駆け回った。ゆっ くり塊はどんどんどんどん成長して妖怪とゆっくりと人間を飲み込み、ついには直径一キロを越えててっぺんは 妖怪の山の頂上を越えた。 そのころ、とうとうゆっくり塊は浮上した。上のほうについた天狗やら虫やら何やらが、逃げようとして飛ん だためだろう。 「あー……」 空を飛んでしまったら、もう俺には手が届かない。 俺は若干の寂しさとともに、数ヵ月をともに過ごした巨大なゆっくり塊を見送ったのだった。 「達者でなあ。元気でなあー……」 それ以来、夜空に星がひとつ増えた。 オリオン座のあたりにまぶしく輝く「ゆっくり星」を見るたびに、俺はかつて幻想郷をにぎやかしていた美少 女たちとゆっくりたちを思い起こし、懐かしむのだった。 ====================================================================== YT このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/91.html
近年多発するゆっくりによる田畑の被害。 それを一掃、または予防するために様々な対策を話し合う事になった、今日はその会議の一回目である。 では、今日は山之辺さんの対策について話してもらいます。それではどうぞ。 うちは主に芋を作ってるんです、味は上々で良く美食家が揃うと言われている紅魔館から、直接仕入れに来てもらったりもしているんです。 そんなわけで、コレまでも小動物に食われるということは多々ありました。 でも初めてゆっくりに畑が襲われてから考え抜いた末、毎年こうして利用しているんです。 朝露が乾き始めた頃、何時ものように畑に向かっていた彼が見たのは自分の畑の上で騒いでいるゆっくり達だった。 農道で区切られている畑の一つ、それがゆっくり達によって無残に食い荒らされていた。 近く程に目を背けたくなる。 かじられた芋がそこらじゅうに散乱していた。 「おじさんどうしたの?ここはゆっくりたちのおうちだよ♪」 さらっと、更に癪に障るようなことを言うゆっくり、どうやら魔理沙種のようだ。 彼は、注意深く辺りを見回した。 ゆっくり魔理沙が一匹、霊夢が三匹、れみりゃとちぇんが一匹ずつ。 楽しそうに芋を食べているそれらを見ていると、沸々と怒りを覚えた彼だったが、口調だけは穏やかにゆっくり に話しかけた。 「君達はどこから来たのかな?」 「もりからきたの」 霊夢種の一匹が答える。 「もりにはこわいおじさんがいるからにげてきたの」 もう一匹の霊夢種だ。どうやら加工場職員の事を言っているらしい。 ずっと森で暮らしていたから、人里のことがよく判らなかったのだろう。 「ここはおじさんの畑なんだよ」 「はたけってなぁに?」 「畑って言うのは、野菜とかを育ててる場所だよ」 「おじさんがそだててたの?」 「そうだよ」 三人目の霊夢種と魔理沙種が交互に答える、どうやらこの群れのリーダー格はこの二人なのだろう。 「おいもおいしかったよ、またつくってね!!!」 「まりさも、またいっぱいたべてあげるよ!!!」 また食べ始めるゆっくり達、いまいち理解できていないらしい。 「あのね、畑って言うのは……」 「ここはまだ、おいもあるから、おじさんもゆっくりしていいよ」 「いや、畑の野菜は売るために作ってるんだよ。ただじゃないんだよ」 「おいしいおいしい! おじさんもっとつくってね」 「うめ、これめっちゃうめぇ! おじさん、はやくつくっておうちにもってきてね」 「これを売ってお金にしないと、おじさんもゆっくりできないんだよ」 「おかねっなに、ゆっくりできるの?」 「食べ物とかを手に入れたりするのに、必要なものなんだよ」 「じゃあいらないよ。もうゆっくりできてるもん。ねー♪」 「ねー♪」 その二匹の言葉でタガが外れた彼は、リーダー格の霊夢種を杭で打ちつけた。 「ゆ゛ーー」 突如、ガクガクと痙攣して絶叫をあげる。 まわりのゆっくり達も、やっと何が起こったのか理解したようだ。 「おじざん。ゆるじでー」 「おながずいだんですー」 「れいむをだずけであげてー」 必死で懇願するゆっくりと、必死に杭を抜こうとする、れみりゃ種。 それを見捨てて、逃げるゆっくり魔理沙の姿が目に入った。 「ゆっくりしんでね」 それだけ言い残して、農道を勢いよく去って行く。 彼もすぐに、残っているゆっくりに、ここにいろとだけ言い残し、急いで追いかける。 「ゆっくりしてってね!!!」 時折振り返ってはそういって挑発する。 たしかに、普通のゆっくりよりも大分はやく動けるようだ。 だが、彼は慌てずに誘導するように追いかけていく。 「ゆっくりしで……!?」 多少ずるがしこいが、やはりゆっくりだ。 これだけあからさまに、誘導しても気付かずに勝手に罠にかかってくれた。 獲物が通ると、即座に縄で縛って吊し上げるモノだ。 「ゆゆ!」 意地悪狸でも捕まえたかのように、彼は腰にさしてあった鎌を持ち近づく。 魔理沙も、これから自分がどうなるか想像がつくらしい。 「れっ、れいむがここをおうちにしようっていったんだよ! わるいのはれいむだよ!」 嘘を並べて何とか逃げようとする魔理沙、しかし既に鎌は振り下ろされた後だった。 「ゆー! ……ゆ?」 おかしい、何時まで経っても痛みは来ない。 不思議になった魔理沙が目を開けると、切られた縄と、それを掴んでいる男が目に映った。 「森で大変だったんだろ。お手伝いをしてくれるんだったら、家においてもいいよ」 優しく語り掛ける、先ほどの殺気が嘘のようだ。 「わっ、わかったよ。おてつだいするよ」 そういう魔理沙を連れて畑に戻ると、杭を抜いてもらった霊夢が看病されていた。 「れいむ、ぶじだったの?」 「うん。ゆっくりしてればなおるよ」 「よかったね」 きちんと急所は外せたらしい、穴が開いているようだが、じきに塞がるだろう。 どうやら、ショックで魔理沙が逃げ出したことも覚えていないようだ。 「じゃあ君達、ここはおじさんの畑だから、勝手に住んじゃいけないよ。でも、きちんとお手伝いするって約束し てくれたら、家に住まわせてあげるよ」 「するする、やくそくするよ」 「もうかってにたべないから、ゆるしてね」 素直に頷いたゆっくり達を、家に連れて帰った。 とりあえず、庭の木の下を自由に使わせてやることにして、今日は休ませた。 明日からお手伝いしてもらうよとだけ告げて、彼も中に入っていく。 翌日から、ゆっくりたちは一生懸命お手伝いをした。 ちょうど、秋の収穫時だった為、ゆっくり達に収穫させて、彼が運ぶと言う構図が出来上がっていた。 もっとも、あの霊夢と魔理沙は時々盗んで食べていたようだが。 今まで一人でやっていた作業を分担してやることが出来た為、収穫も早々に終えることが出来た。 しかし、辺りが雪に覆われ始めた時、未だ庭で生活している事に、あの二匹が文句を言ってきた。 「おじさんだけあったかいへやのなかでずるいよ。まりさたちもはいるよ♪」 「れいむたちがてつだったから、おかねいっぱいになってゆっくりできるんだよ♪」 図々しく上がりこんでくる、連れられて入ってきたほかの種類は端の方で寄り添って暖を取っているというのに、 二匹は堂々と火鉢にあたってきた。 「あったかいね」 「ひがでてるもんね」 「あのまきをくべるともっとあったかくなるかな」 「もっとゆっくりできるね!」 「おいおい、蒔きも高いんだから無駄には使えないんだよ。ダメダメ」 「だってさ」 「おおこわいこわい。まりさたちがてつだわなかったら、こんなにかえなかったのにね」 「「ねー」」 いっそ、ここで加工場に売り飛ばしてもよかったが、彼は他の利用法があったので、渋を薪をくべた。 「あったかいね」 「こんどから、もっともっとまきをいれてね」 それから暫く経ったある日、珍しく彼は朝早くから台所に立っていた。 「おじさん、おへやあったかくするね♪」 「まきはいれられるから、おじさんはそこで、ごはんつくってってね」 そんな図々しい言葉を聞いても彼はそうかい、とだけいって流した。 余程、今作っているものが大切なのだろう。 「さぁ、できたよ。かぼちゃを大量ににたんだ」 大きな鍋に大量に入ったかぼちゃ、綺麗に一口大になっているそれは、ゆっくり達にはご馳走に見えた。 「おいしそー」 「うめっ!めっちゃうめー」 「うめー! おじさん、これうまいから、まいにちつくってね!!!」 「おかねいっぱいあるから、まいにちつくれるね!!!」 彼は、何も言わずに終始ニコニコとそれを見ていたが、粗方食べ終わった頃に、ようやく一言だけ喋った。 「この頃、あまり跳ね回っていなかっただろ、実は昨日、運動する装置を買ってきたんだ」 「やるやる」 「れいむもやるー」 「よしよし、じゃあちょっと体を縛るよ」 ゆっくりをしたから四方に縛っていく、縛り終えると、ちょうどスイカを縛っているような状態になった。 その調子で次々と全員を縛っていく。 縛り終えたところで、今度は魔理沙を、取っての着いた四角い箱に入れていく。 「さいしょは魔理沙からだね」 「はやくうごかしてね」 「言われなくても」 言うが早いか彼はものすごい勢いで取っ手を回し始める。 連動するように、魔理沙がはいった箱もすごい勢いで回る。 「ゆゆ!」 中身がかき回される感覚、そんな奇妙な感覚に魔理沙は何も言えない。 「よし、次」 たっぷり十分は回しただろうか、箱から出された魔理沙は口から戻さないように、直ぐに口を塞がれていた。 その後も、れみりゃをのぞく全員が同じように回された。 彼はその様子を満足そうに見ると、一人で食事を済ませ眠ってしまった。 翌日、彼はそのゆっくり達を荷車に載せ、街までやってきた。 まず、ゆっくりれみりゃをセリにかけて大金を手に入れ、次にこれまた高値でゆっくり達を売りさばいた。 何がなんだか分からないままに、売られていくゆっくり達。 離れるのがいやで必死に近づこうとするが、縛られてしまっている状態ではまったくの無力だった。 あえなく散り散りになるゆっくり達。 魔理沙を買い取ったのは、永遠亭のイナバだった。 「はやくこの縄を解いてね。はやくといてね」 「……気持ち悪い」 「おおこわいこわい」 へらへらと喋りかけるゆっくりを見て呟くイナバ、その後、彼女は永遠亭に着くまで一言も口を開かなかった 「ただいま帰りました。師匠、言われたものを買ってきましたよ」 「ありがとうウドンゲ。じゃあ、先に姫様のお部屋に運んでおいて頂戴」 「はい」 だれもいない部屋に放置された魔理沙、しかし今までも家とは比べ物にならない位暖かいこの部屋は、魔理沙にとって居心地がよかった。 魔理沙は勝手にここを自分の部屋にした。 「あら、今年はなかなか大きいわね」 「そうですねー。それじゃあ頂きましょうか」 突然入ってきた二人の女性に縄を解かれる。 「ここは、まりさのへやだよ!かってにはいっちゃだめだよ!!」 「あらあら、うふふ」 「ことしは、特にふてぶてしいですね。」 言いながら帽子を取り払う。 「おおこわいこわい。ゆっくりかえしてね」 「……面白くなりそうね永淋」 「はやくでていってね、それとゆっくりできないから、ごはんももってきてね」 「えい♪」 「ゆ?」 突然、体に包丁を入れられる魔理沙。 余りにも突然だったので、一瞬呆気にとられた、が。 「い゛い゛い゛いだいー」 直ぐに、激烈な痛みが襲い出した。 それを意にかけずに、更に包丁を進める輝夜。 右の頬にグルッと円を描いたそれは、反対側にも同じように円を描いた。 「いだいよ。おばさんなにするの!」 この期に及んで神経を逆撫で摺る様な事を言う魔理沙、今までの癖なのだろうが自分の首を絞めることになった。 「へぇー、本当に今年のは面白いわねぇ」 スプーンに持ち替えて頬から中身を掻き出していく、反対側も同様だ。 「!!!!い゛い゛い゛い゛だ゛だ゛だ゛だ゛だ゛い゛い゛い゛い゛い゛」 もはや余裕も何もない、気を失うまで、想像を絶する痛みにただ耐えるだけだ。 しかもそれも簡単には叶わない。 既に、魔理沙種の体の構造を調べ終えている永淋の指示で、生命に関係の無い箇所から掻き出されているのだから。 「ゆ゛ゆ゛ぐり゛じだだい゛よ゛ーー!」 「おお怖い怖い。永淋見てよこの顔」 「確かに見るだけで不快感が増しますねー」 二人はこれから数十分間この作業を続けた。 今年は、研究の成果か出し終える直前までゆっくりの意識があったようだ。 「うどんげー終わったわー。夕食のテーブルに運んで頂戴」 「はい師匠。うわぁ、今年は特に美味しそうですね」 通常、食事の用意はイナバ達がやるのだが、この作業は別であった。 わざわざ回りくどい方法で、絶叫と共に餡子をとりだすこの方法は、永遠を生きる蓬莱人のみが理解できる方法なのだろう。 或いは、これで一年を知っているのかもしれない。 今日は冬至の日、そして彼が売っていたゆっくりはこう書かれていたのだから。 ~今年も販売!! 冬至かぼちゃ。 冬まで保存したかぼちゃと、同じく腐らずに保存されている ゆっくりの生餡で作った特製です。冬を乗り切る栄養がたっぷり付きますよ~ 以上です、そういって彼は発表をやめた。 「ありがとうございました。さて、今の意見ですが、時期は限られていますがこの時期には殆どの人が作るので需要は大量に見込むことが出来ます。 それでは、第一回ゆっくり畑荒らし対策会議を終わります。今回の議題の解答は次回までに考えておいて下さい」
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/69.html
とある秋の終わりの、とある山の、とある洞窟。 大人の人間だと立って入れないくらいのゆっくりにとっては十分な大きさで、深さ10mくらいのその最深部にゆっくりまりさとゆっくりありすがいた。 2匹とも、この山岳地帯で生きてきたゆっくりだ。 苛酷な環境で暮らすくらいなら、どこかのゆっくりプレイスに行けばいいと思うかもしれないが、この山々の地形がゆっくりたちの移動を阻んでいた。 来れたのなら行けるはず。 そう思って、ゆっくりプレイスを見つけたらみんなを呼びに帰ってくるねと言い残して旅立っていったゆっくり達もいたが、誰も戻って来る事は無かった。 外にも行けず、外から来ることも無い。 そんな中で、この辺りで生きるゆっくり達は独自にとある進化を遂げていた。 さてこの2匹、まだ成体となってからそれほどでもなさそうだというのに、かなり大きい。 大人の腰ほどまでの大きさである。 ただし、決して正常と思える大きさではなかった。 顔のパーツと体のサイズのバランスがあきらかにおかしい。 胴体だけが膨れた異様な姿であった。 そのため非常に不細工である。 それはさておき。 この2匹は見ての通りつがいである。 今、2匹は赤らんだ顔で膨れた互いの体をこすり合わせている。 だが、幾ら育ったゆっくりとは言え交尾にしては穏やかでゆっくりとしたものだ。 「んん……んぢゅちゅっ、まりさ、まりさぁ……」 「んふぅ、ゆふぅん、ありすぅ……んちゅ、ぷはぁ……」 2匹の間に粘液の橋が出来上がる。 しかし、それ以上行為は激しくならない。 今の2匹はただある時間を待っているだけだった。 今の行為も、互いの愛情を確かめ合うスキンシップ程度のものだ。 「ゆゆぅ……ありす……もうすぐだね」 「ちゅ……ぷはっ……ええ、まりさ。もうすぐだわ」 もう外に出る事も難しくなった秋の終わりの寒さの中、2匹は身を寄せて静かにその瞬間を待っていた。 それから数日後の事。 「んむ、ふ、ぶぢゅう、ぶはっ……まりさ、まりさまりさまりざあああああっ!!!」 「むちゅ、ぢゅうっ、ありず、んほぉ、んむぅぅぅぅぅっ!!!!!」 先日とはうって変わって、激しい痴態を見せる2匹の姿があった。 全身は真っ赤に火照り、あたり一面に2匹が出した夥しい粘液が広がっている。 だが、2匹はさらに激しく体をこすり合わせ、舌を絡めあってお互いを絶頂へと導こうとしている。 「んぶぶぶぶぶぶ、まりざ、あがぢゃんまだ!? ありず、ありず、んほぉ、もうイグ、ありすいっぢゃうよほぉぉぉぉぉ!!!!!」 「まっで、ありず、まだだめだよ、まだ、もうずごじでまりざもイグがらね、まだイッぢゃらめぇぇぇぇぇぇ!!!!」 だんだんとろれつも回らなくなり、表情も白目を向いたどう見ても危険な領域に突入したものになっている。 しかし、2匹はその行為を決して止めようとはしない。 今この時でないとダメなのだ。 「んぐぐぐぐぐぎぎぎぎぎぎぎいいいいいいい!!!!」 ありすが割れてしまいそうなほど歯を食いしばり、絶頂しそうなのを必死に耐えている。 その口から漏れるのも言葉では無く呻き声に近い。 ありすは、まりさより先にはイケない理由があったのだ。 「まっででねありず、まりざもうイグよ! らめ、イグ、イグイグイグううううううううう!!!!!」 まりさもありすの頑張りに応えようとさらに激しく体を震わせ、それの意味する所を理解したありすがまりさを絶頂へと導くためにさらに体を震わせる。 「んぐぐぐぐぐぐあああああああまりざもうだめありずもうダメありずもううぐぐぐんぎいいいああああああああ!!!!!!!!!!」 「あああああありず、ありずありずありずありずありずありずありずむううううんおほおおおおおおおーーーーーーっっっ!!!!!!!!!!!!!!!!」 一際長い絶頂の声を上げた後、まりさが口から大量の餡子を吐き出した。 いや、違う。 餡子ではない、それは小豆色をした小豆そのものの、だが小豆に似た何かだ。 まりさはまだ大量の「それ」を吐き出し続けている。 「んぼ、ごぼぼぼぼぼぼぼおっげぇっげぼっごっごごげぼぼぼぼぼぼぼぼぼ!!!!!!」 嘔吐が続くため呼吸ができずにむせ返るが、それでもまだ止め処無く「それ」は後からあふれ出てくる。 数十秒ほども続いて、ようやく「それ」の放出は止まった。 精も根も尽き果てたまりさは、「すっきりー!」の声も無く、必死で酸素を求めてぜぇぜぇと荒い息をつくばかりだ。 そして、放出が止まったのを見て、ようやくありすが本会を遂げる時が来た。 「まりざ、ありずの、ありずのおもいをうげどっでねえええええええええええーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!」 そして、まりさが吐き出した「それ」に向けて口から大量のカスタードクリームを放出する。 いや、これもカスタードクリームではない。 カスタードよりももっと白く、粘液質の「何か」だ。 ありすもまりさと同じ様にむせ、えづきながら「それ」全てにかかるように大量の「何か」を吐き出し続けていく。 こちらも長々と時間をかけて吐き出し終わると、酸素を求めて喘ぐような呼吸を続けた。 それから2匹ともがようやく呼吸を整えた頃。 先程までの嬌態の残渣はもうどこにも無い。 あるのは、半分ほどに縮んだ2匹のゆっくりと、その2匹と洞窟の壁との間に挟まれる様にして広がった何かがあるだけだ。 「ん……ありす……ちゃんとまりさたちのあかちゃん、のこせたね……」 「そうね……みんな、ちゃんとうまれてくれたらいいね……」 そう、あれは他でもないゆっくりの卵なのだ。 この苛酷な環境で生きるゆっくりは、冬の間常に食料があるとも限らない状況に適応して、卵生へと変わったのだ。 食事を取る事も無く冬を過ごせ、生れ落ちた時には外はもっとも快適な春である。 こういった洞窟の奥でなら、卵もかろうじて寒さには耐えられる。 それくらいの際どいバランスの中で、ゆっくり達は生き抜き、世代交代を繰り返してきたのだ。 しかし、せっかく自分達の卵が生まれたと言うのに親達は元気が無い。 「すっきりー!」も「しあわせー♪」のひとつも無く、再び静かに身を寄せ合っているだけだ。 「まりさ……」 「なぁに、ありす……?」 「わたし、まりさとあえてよかったよ…………」 「うん……わたしもありすとあえてしあわせー…………」 2匹の脳裏には、2匹が生まれ、出会い、そして生きてきた思い出が止め処無く溢れかえっていた。 そのどれもが、決して忘れることの無い輝く宝物だ。 「ありす……ありす……?」 まりさは、ありすまだ伝えたい事があったのでありすに呼びかけた。 だが、ありすからの返事は無い。 わずかに体を動かしてありすの横顔を見る。 先程までとは違い、ありす本来の綺麗で整った横顔だ。 ありすは、僅かな微笑を浮かべて自分達が生んだ卵を見つめている。 だが、その体からは呼吸の振動が伝わってこなかった。 それは、鮭や昆虫などと同じ現象。 生んだ後に、親たちはほぼ間違い無く死んでしまうのだ。 「そっか……ありす、さきに、ゆっくりしちゃったんだね」 おつかれさま。 その意味を込めてもう一度頬擦りし、口付けをする。 体を横に向けて、少し伸び上がる。 それだけの動作が、もう酷く億劫だった。 そして、もう一度自分達が生んだ子供達を見る。 少しでも多く生まれて、少しでも大きくなって、少しでもたくさん幸せになれますように。 それだけの事を思い浮かべるのにとても時間がかかった。 寒い。 隣のありすの体温ももうほとんど感じられない。 そしてとても眠い。 ああ、自分も時間だ。 「ありす……だいすきだよ……」 だめだ、もう眠ってしまう。 「ありす…………ずっと、いっしょに、ゆっくりしようね…………」 最期に直接伝えられなかった想いを振り絞るように言葉にして、まりさの意識は静かにとても、とても深い所へゆっくりと沈んでいった。 終わり 作・話の長い人 あとがき たまにはこうやってゆっくり同士で大自然を生き抜いて、天寿を全うするゆっくりもいいじゃない。 細かい突っ込みは無しで。 わかっててあえて書いてない所もあるし。 過酷な環境でも、2匹で過ごした時間はしあわせそのものだったはず。ゆっくりやすんでね -- 名無しさん (2008-07-26 00 44 58) これからもずっと2人でゆっくりしてね。。。。。 -- 名無しさん (2008-08-30 17 34 23) きっと元気な子が生まれるよ!!だいじょうぶだよ!! -- ゆっけの人 (2008-10-26 02 25 29) なんか、とても切なくて泣けてくる・・・ -- 名無しさん (2008-10-26 02 48 38) ・゚・(ノД`)・゚・。 目が…目があぁぁ(ry 稀でもゆっくりに泣かされた経験があるのは私だけでは無い筈。。。 -- 名無しさん (2008-12-09 02 59 22) けど卵生ってことは生き延びる赤ゆの数も少ないわけだよな・・・自然だから仕方ないけど -- 三下 (2009-04-01 16 26 45) 何故? -- 名無しさん (2009-04-28 01 00 22) おにいさんもビックリの生態だね -- おにいさん (2011-04-16 09 58 13) この人ってアッチの人だったの? -- 名無しさん (2012-04-16 20 38 42) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4864.html
初作品。 俺設定。後半グダグダ。 登場ゆっくりの殆どがゆっくりできない目に遭います。 善良なゆっくりも醜悪なゆっくりも平等にゆっくりできなくなります。 初作品なのに、とある漫画のパロディ。ヤ〇ジャンを読むべし! やっぱり俺設定。 ゆっくりの台詞に漢字を混ぜていますが違和感を感じる方は脳内でひらがなに変換してくださいね! ### 「ゆぅゆぅ。ゆっくり~。すっき――― 線路の上でゆっくりしてたら電車にれいむははねられた。 おお、死んでしまうとはなさけない。ゆっくりしたけっかがこれだよ! 「れいむを殺したゆっくりできないでんしゃさんはゆっくり死んでね!!」 そうして運よく隣の線路にいたせいか、撥ねられなかったまりさ。 でも、その幸運を無駄にして電車に突っ込む。 れいむが一瞬で餡子になったことにびっくりしてて、気づいたときには既にゴォゴォと唸りを上げていた最後尾ぐらいしかなかったけれど。 餡子脳にはそんなことわかるはずもなし。 でも復帰するまでに電車が通り過ぎていない。 つまり中々現状を把握するのが早かったってことはこのゆっくりまりさ。 中々に優秀であったりもした。 「ゆべっ!?」 でも所詮は餡子脳(笑)。 電車に触れたら人間でもゆっくりしちゃうよね! だから絶対ににんげんさんは触れちゃだめだよ。 そんな声が聞こえたような聞こえなかったような。 とりあえずまりさは吹っ飛んで死んだということは確実であった。 ### どこかのマンションの一室。黒い球体のある部屋にれいむは転送されていた。 ちなみに自身が死んだことには気づいておらず、また、転送してきたことも理解していない。 「ゆぅゆぅ。ゆっくり~。すっきり~。ゆゆっ!?」 ゆぅゆぅ言いながらなにやら場所が変わったことにびっくりするれいむ。 でも、まわりをまったく見ずに。 「ここはゆっくりできる場所だね! ここをれいむのゆっくりぷれいすにするよ!」 と宣言した。 とりあえず広い部屋だし、屋根もあれば窓もある。そんな場所はゆっくりできるという認識なのである。 「ゆ? ゆ? ここはれいむのゆっくりぷれいすだよ! ゆっくりしてないゆっくりはゆっくりでていってね!!」 なにやらよくわからい黒い球体があったものの、れいむの目にそれは映らない。 よくわからないものなどれいむにはどうでもよく、とりあえず目に付いたゆっくりに喧嘩を売る。 そう、この部屋にはゆっくりれいむ以外にもゆっくりがいたのだ。 「また出てきたんだねー。ゆっくりわかるよー」 れいむが自分たちに気づくまで何も話さなかったゆっくり達。いや、そういうわけではない。 れいむの目の前にいるゆっくり数匹。ちぇん、みょん、らん、ちぇん、ちぇん、ちぇん、ちぇん。である。 やたらとちぇんが多い。そして希少種であるはずのらんまでいる。 らんはれいむを見るとちぇんではないためか。 「ふん、れいむか」とだけ呟いてまとわりついてくるちぇんに蕩けた表情ですーりすーりしている。 「ちーんぽ! びっぐまら!!」 ちぇんばっかりだったせいかみょんがれいむの元にすばやい動きでやってきた。 「ゆ? なに言ってるのここはれいむのゆっくりぷれいすだよ!」 この変な場所について何か知らないか、という意味の言葉にれいむは自信を込めて宣言した。 瞬間、ダメだコイツという空気が一瞬にして部屋に蔓延するものの。 空気を読めないことに定評のあるれいむにそんなものが通じるはずもない。 「ゆ? 何これ?」 「また来たんだねー! ゆっくりわかるよー!!」 「ちぇん。目を瞑っていなさい」 らんの静かな言葉に五匹のちぇんが「わかるよー」と言いながら、らんのお稲荷さんに顔を埋めていく。 みょんも「ちーんぽ! ぺーにす!!」とれいむに 「見ないほうがいいんだちーんぽ!」という意味の警告をするものの。 「何言ってるの? そんなこと言ってないでさっさとれいむのゆっくりぷれいすからでていってね! あとあまあま持ってきてね! 持って来たらさっさと出て行ってね!!」 と、言うばかり。 みょんは一応警告はしたよ、という意味で「ぺーにす」と小さく呟くと 部屋に突如現れた奇妙なうねうねとした空間に繋がっていそうな、両端をリボンで結ばれたスキマっぽいものから体ごと視線を逸らした。 で、れいむはといえば。 「ゆ? 何これ? ゆゆ!? なにごれぇぇぇぇえええ!?」 じじじじじ、となにやらゆっくりとした速度で饅頭っぽいものとその断面が現れる。 スキマに直接繋がっているわけではなく、スキマから光線のようなものが出ているのだ。 そうしてその光線はとあるものをゆっくりと転送していた。 最初はあまあまさんだね! とゆっくり見ていたれいむもそれがだんだんと姿を現してくるにつれて 正体に気づいていく。 「ゆ? ま、まりさぁ!? ゆ、ゆっくりしてないよ!!」 なにやら凄まじい表情で空中に固定されているまりさはれいむの知り合いのまりさであった。 「れいむを殺したゆっくりできないでんしゃさんはゆっくり死んでね!!」 と、まりさは再構成された口で叫ぶものの、その体の全部が出てきているわけではない。 しかし、 その断面、つまり内臓を見せられてれいむは非常にゆっくりしてない表情で慌ててまりさへと駆け寄るも。 「さわるな!!」 唯一、新たに現れたまりさをちぇんでないか確認していたらんが静止の声を上げた。 しかし、れいむはその断面まりさに駆け寄ってしまう。 「ゆ!? で、でも、まりさはれいむのだーりんなんだよ!! らんはれいむを止めないでね! れいむはまりさを助けるよ!!」 らんは馬鹿を見るような目でれいむを見たものの、出てきたのがまりさだとわかって興味がなくなったのか。 ぷいと視線を逸らしてしまった。 ### で、れいむ。 「まりさ! ゆっくりしていってね!!」 とりあえず定番のゆっくりしていってね! をかますもいまだまりさは転送途中だ。 断面を晒すだけでまったく言葉が返ってくる様子はない。 しかし、全く帰ってこないゆっくりしていってね! にれいむはまりさがゆっくりしていないことを確信。 「ゆ! まりさ、すーりすーりするよ!!」 ならば次はすーりすーりだ! おうたをうたってもよかったが、おうたよりやはりすりすりの方が即効性がある。 それにゆっくりしていってね! が聞こえてなかった以上は、やはりすーりすーりの方が直接的で良いだろう。 断面を見せているまりさ。 通常のゆっくりならばグロくて触らないようなものであるが、れいむは愛の力でそれを乗り越えた! 「ゆ! すーりすーり! しあわせー!!」 もちもちの肌ともちもちの肌がふれあい。 まりさの断面から餡子が吹き上がる!! 「ゆ? なにこのあまあまさん?」 突如れいむに降りかかるまりさの内容物。 すりすりしているれいむの隣、まりさの断面から火山の噴火のように餡子が噴出している。 しかしすーりすーりとむーしゃむーしゃに夢中なれいむは疑問に思ってもそれに注視することはない。 まりさの断面にかかる圧力。その断面は完全に保護されているわけではなかった。 れいむは気づかず、まりさに圧力を与えていく。 しかもすりすりしたせいでまりさの断面の位置がずれたので、 まりさの目から上から微妙な位置に転送がされていく。 それはまさに途中で紙ズレしたFAXのよう。紙が詰まったせいでもう一度送ってもらう破目になったよ! でも今回は紙ズレしても再び送ってくれるような人はない。そもそも誰が送ってるかれいむは知らないしね。 「ゆ! まりさ! 一緒にあまあまさん食べようね! ゆ? まりさ? まり、……ゆ゛ぎゃぁぁあ゛ぁあ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁあ゛あ゛あ゛!? ど、どおしてまりさがしんでるのぉおおおぉぉ!!!????」 それはお前がすーりすーりしたからだ。なんでこと、誰も言ってくれるわけはない。 この部屋にちぇんばかりが多いのも、 みょんが迂闊に転送されたゆっくりの体を動かしてしまったからで、 ちぇん以外のゆっくりが転送の途中、みょんに触れさせまくってやっと法則を掴んだらんが、 次から来るゆっくりには触らないことにしようと決めたからに他ならない。 しかし、本当にそうなのか。らんは法則を知っていたのではないのか。 ちぇん以外要らなかったから、ちぇんに来て欲しかったから、他のゆっくりを潰したのではないのか。 またはちぇんが五匹も揃ったので満足したから法則を掴めた振りをしたのではないのか。 「ちーんぽ……」 悲しそうにれいむを見るみょんがいるものの、真実を知るものはいない。 ちなみにれいむが来る前にぱちゅりーが一匹ほど転送されていたが、れいむの転送場面を見た結果。 断面のグロさに生クリームを吐いて死亡した。 ちなみに断面といっても人間にはただの饅頭を切ったものにしか見えないのである。 餡子が脈動していたり、いろいろと部位によって色が違うように見えるものの、 人間にはただの餡子にしか見えないのである。 ゆふふ、れいむは違いのわかるゆっくりなんだよ! ゆっくり理解してね!! ### さて、まりさが死に悲しみが有頂天に達したれいむは数分ほど絶叫したり暴れたりしていたが 次第に落ち着いてきたようで、ゆっくりと目の幅涙を流している。 まりさの上下真っ二つに分かたれたデスマスクは何も語ることはなく、ただそこにあるだけであった。 「ゆゆ。れいむはこの悲しみを乗り越えなくちゃいけないんだね……」 「ちーんぽ」とみょんが何言ってんだこいつって目で見るものの、突っ込みを入れる個体は他にはない。 らんとちぇんは潰したゆっくりである餡子をもしゃもしゃ食べているし。 「わかるよー!」 「あまあまさんなんだねー」 「おいしいよ! らんしゃまー!」 「ほら、ちぇん。おくちにあまあまさんがついているよ」 「ありがとう! らんしゃまー!」 「むーしゃむーしゃしあわせー!」 ちなみにこの餡子が同族だということをちぇんたちは知らなかったりする。 全ては潰したゆっくりを埋葬したふりをしつつ、 その後、餡子を見つけてきたと宣言したらんの巧妙な策であった。 らんを疑わないちぇんの駄々甘な脳みそも原因ではあろうが。 「ゆっ。ゆっくりできそうなあまあまさんだよ! れいむにもちょうだいね! ちょうだいね!」 早速悲しみから立ち上がったれいむがらんとちぇんへとぽよんぽよん飛び跳ねていく。 「うるさいな。そこに転がってるものでも食べたらいいじゃないか」 「あれはまりさだよ! まりさを食べろだなんて言うゆっくりできないらんはゆっくり死んでね! そのあとれいむにあまあまちょうだいね! ゆっくり理解してね!!」 「わからないよー!」 「れいむはゆっくりできないんだねー! わかるよー!」 と、ちぇんたちが尻尾を立ててぷくーと膨らむ。 自分よりも体が小さいとはいえ五匹ものゆっくりに囲まれたれいむは動揺しつつも同じようにぷくーっと体を膨らませた。 ぷくーはゆっくりの威嚇なのである。しかし彼女たちを見るらんの口元には小さく笑みが浮かぶばかり。 「ちーんぽ!」 れ、れいむ、やめるんだみょん! そういう意図の言葉を発するみょん。 みょんは知っていた 饅頭に出くわした獣は決して唸ることなく 穏やかな目をすることを 「ゆ? 何言ってるのみょん? 馬鹿なの? 死ぬの? れいむはゆっくりできないらんとちぇんをせいさいするんだからね!」 ゆっくり理解してね! と振り向いたことがれいむを救った。 ぱちん、とれいむの餡子の皮を掠める硬いもの。 本来ならばれいむの脳天を貫き、中枢餡を破壊せしめたであろう米粒は、 れいむが振り返ったことにより狙いを外し、その饅頭皮を掠めるだけに留まったのだ。 「ゆ? ゆわぁぁぁぁああああ? れいむのもちもち肌がぁぁああああ」 破れた肌から餡子が漏れる。幸い軽傷ではあったが基本的に饅頭であるれいむにとって外傷は文字通り死を意味する。 傷口に蟻が集るかもしれない。傷が治らないかもしれない。怪我をしたために他のゆっくりに苛められるかもしれない。 他にも万通り存在する様々な要因により死亡するかもしれなかった。 れいむは己が境遇に涙し、この攻撃をなしたであろう存在に対して恫喝の声を上げる。 「本当にゆっくりできないゆっくりだね! ゆっくりばいしょうを請求するよ! れいむにあまあまさんをよこしてね! そうしたらどれいにするだけで許してあげるよ! でもれいむの傷が治ったらゆっくり死んでね!」 振り返るれいむの目にはお稲荷から米粒を装填し、口をすぼめて第二射を発射しようとするらんの姿が映る。 ゆ? とれいむが体をかしげ、次に馬鹿なの? と叫ぼうとした瞬間! まさにれいむの一山三百円の命が失われようとした刹那! だんだんかだーんだんだかだーん! と、怖い音楽協会のせいで歌詞を引用できない音楽が流れ始めた。具体的にはラジオで朝で体操なあれであるが。 「ゆ? ゆっくりできそうなおうたさんだね! れいむもうたうよ! ゆー♪ ゆっくり~♪」 既に直前の出来事をすっぱり綺麗に忘れ去ったれいむがおうたを歌いだすものの。 部屋のゆっくりたち。ちぇん五匹。らん、みょん、はゆっくりと辺りを見回した。ゆっくりが出てくる以外の初めての変化であった。 そして、部屋の隅で正確にはまだ死んでいなかったぱちゅりーがこの音楽に驚きのあまり、 断末魔のむき゛ゅぅ を呟いて今まさに天に召されたが誰も気にすることはない。 「ちーんぽ! まら! びっぐぺにす!」 このたまさんがあやしいんだちーんぽ! とみょんが玉の表面を見ながら叫ぶ。 「わかるよー!」 「もじさんがうつってるんだねー!」 「よしよし、さすがはちぇんだな」 「らんしゃまにほめられちゃったよー!」 「わかるよー。うれしいんだねー」 わらわらとゆっくりたちが駆け寄っていく。ゆっゆー♪と歌うれいむは誰にも気に掛けてもらうこともなくゆっくりとおうたを歌っていた。 ### 手前らゆっくりどもの饅頭生命は粉々になりました。 新しい饅頭をどう使おうと私の勝手です。 という理屈なわけです。 ゆっくりりかいしてねー! という文字が書かれていたが、ゆっくりに理解できるのは最後のゆっくりりかいしてねー! というひらがなだけであった。残念! しかもその文字の最後も微妙に反転していたりで理解できるゆっくりはいなかった。残念! 「わからないよー! わからないよー!」 ちぇんたちのわからないよーとれいむの馬鹿なお歌が響く中、ただただみょんとらんは顔を見合わせるばかり。 恐らく何か重要なことが書かれているのだろうが二人には読むことがかなわなかったのだ。 「ちーんぽ」 「そうだな。漢字が理解できればいいんだが」 どうする? という意味の言葉にらんも困ったような表情をするだけだ。 黙っているゆっくりたち。その目前で黒い玉の文字が切り替わっていく。 饅頭たちは今からこの饅頭を粉砕してきて下さい。 ゲスまりさ星人 特徴 よわい もろい 好きなもの おやさい ゆっくり 口ぐせ ゆっくりしていってねだぜ! まりさの顔写真、ではなく全身写真を見て二人は首を傾げる。粉砕という文字が読めなかったせいで何をするかも理解していなかったのだ。 ただゆっくりできないゲスの写真を見せられて眉、というより顔を歪ませるだけである。 写真から伝わるゲスのゲスらしい、ゲスっぽい表情に二人も嫌な気分になったのだ。 「ちぇん、こんなゆっくりになっちゃだめだぞ」 「わかるよー! これはゲスなんだねー!」 「ゲスになったらいけないんだよー!」 わいわいがやがやとれいむの阿呆なお歌が響くだけだった室内に華やかさが戻ってきた。瞬間。 「ゆぎゃぁっ!?」 がしゃん、ぐしゃん、ゆぎゃぁの三拍子。 黒い玉の周りをうろうろしていた一匹のちぇんが、玉の側面が開き、そこから飛び出した玉の一部に潰されたのだ。 「ぢぇぇぇえ゛え゛え゛え゛え゛ん゛ん゛!!????」 「ぢん゛ぽぉぉお゛お゛お゛お゛ぉお゛お゛!!!????」 「わからないよぉっぉおお」 「らんしゃまー! らんしゃまー!!」 号泣するゆっくり。泣き出すゆっくり。叫ぶゆっくり。わめくゆっくり。 ただただれいむの馬鹿なお歌が響くものの。その悲しみが癒されることはない。 「もう! れいむはおうたを歌ってるんだよ! ゆっくりしてないゆっくりたちだね!」 ぽよんぽよんとはね、この集団に近づいてきたれいむは、なにやら玉の側面に出てきているものを見て首、というか全体を傾げた。 なんだろう、これ? と考えてもれいむには理解できなかっただろうが狩りのために用意された道具である。 玩具のような形をした銃であった。上トリガーと下トリガーを同時に撃つことでロックオンと発射を行うことができる道具。 ロックオンで複数個体をロックしてから撃てば複数個体、複数部位を同時破壊できそうなものであるが、ゆっくりにはそもそも扱えなかった。 せめて胴付きがこの場にいれば、と少し賢ければ思わないでもないだろうが。 「ちぇぇえぇえええん……」 「らんしゃまー! らんしゃまー!」 「わからないよぉぉお」 「こわいよー。らんしゃまー!」 「ちーんぽ」 頼りになる頭脳集団(笑)も今はあの有様。そうして彼らは何も理解することなく、準備することなく戦場へと向かうことになったのだ。 (いろいろ省略されました) 「やべぇ、失敗した」 ゆっくりたちには気づかれなかったが、黒玉の中には全裸の男が入っていた。 全てのゆっくりの転送が終わったので、というより鬼意山の言葉通り、失敗してしまったので、全裸の鬼意山は出てきたのだ。 ちなみに通称、希少種大好き鬼意山。通常種を蛇蝎のごとく嫌い。希少種のみを愛でる趣味の鬼意山である。 「ゆぅ。ゆっかりどうしたの。おにーさん?」 「あ、ああ、ゆかりか?」 鬼意山の足元にいるのはゆっくりゆかり。胴付きではないが、今回のこの仕掛けを手伝ってくれたゆっくりだった。 スキマなる能力を持ち、対象を移動させたり、閉じ込めたり、引っ張りだしたりする能力を持っている。 「いや、あの、な。手伝ってもらって申し訳ないんだが、失敗しちゃった」 「ゆ? どういうことなの?」 まず鬼意山、この転送機能がぶっ壊れた黒玉を低価格で仕入れ、ゆっくりのみを対象にできるように設定。 で、最近近所の畑荒らしをしているゲスゆっくりの群れにゆっくりを攻め込ませようとしたのだが、そもそもの最初の段階で躓いた。 壊れた転送機能は飼っている唯一の希少種ゆっくり、ゆかりに頼んだものの。ゆっくりのあまりの低脳さに集める段階から躓き始める。 特にらんのちぇん以外を排除していく当初の方針でちぇん以外を集められなかったのも痛かった。 計画では二十匹ほど集めてぶつけるつもりだったのだが、見事につまずいたのだ。 結局数を集めることを諦めた鬼意山は設定したフィールドに送るときにゆかりのスキマで転送してもらったのだが 最初の位置はランダムに送ってくれと頼んだのでその際に車道にちぇんとらんを転送してしまった。 もちろん直後に車がとおりつぶれ饅頭に。 「らんしゃまぁあぁあああ!!」「ちぇぇぇえええん!!」の言葉を残すことなく死亡。 次に残ったちぇん三匹。 らんしゃまー。らんしゃまー。と怯えながらも転送を受けるも、残った二匹が転送途中に転送されている一匹の下半身を強く揺さぶった。 とたんに吹き上がるチョコクリーム。鬼意山はみょんが止めろよと思うものの、彼女は彼女でいきなり始まった転送に怯えるばかり。 れいむは「いいきみだね。ゆふふふふふ」と呟きつつ、傍観。 さらに残った二匹はまた転送されたちぇんに「おいてかないでね! おいてかないでね!」とまた揺さぶり。噴きあがるチョコクリーム。 絶叫。気絶。車道に転送。トラック、死亡のコンボ。 玉の中で映像を見ていた鬼意山もちぇんの悲鳴でやっと、希少種のらんが死亡した心の動揺から復帰する。 すかさず転送位置を再設定するように膝に抱えていたゆかりに指示。 「ゆっかりわかったわ」とゆかりがすかさず転送途中だったみょんの下半身を車道から歩道に転送開始。噴きあがるみょんの餡子。 みょん、何もできずに死亡。 「ゆっかりやっちゃった」とゆかり、鬼意山に謝る。鬼意山、ゆかりの表情に爆裂萌え。なでなでしつつ、盛大に許した。 ### そうして残ったれいむであったが、彼女は今、ゲスの群れのど真ん中にいた。 「ゆぁぁぁああああああああああああああ。やめてね! やめてね! すっきりーはゆっくりできないよ! やめてね! やめてね!」 「ゆふぅ。こいつケツふってるんだぜ! さそってるんだぜ!」 「もちもちしたれいむなんだぜ。きずがあるけどまりさたちは気にしないんだぜ!」 「ゆぁぁああ! やめてね! はなしてね! れいぷはだめなんだよ! ゆぎゅっ!」 反省した鬼意山により、ゲスの集団のど真ん中に転送されたれいむ。当初は突然現れたゆっくりの断面図に怯えたものの。 現れたのがただのれいむだと知った瞬間に獲物発見とばかりに襲い掛かったのだ。 もちろん、特に美ゆっくりでもないが暇だったのでれいむをれいぷである。 ゲスまりさたちはれいぱーではないが、別にれいぷ嫌いなわけではないからだ。 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛ぁあ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁあ゛! ずっぎり゛ー! ずっぎり゛じだぐな゛い゛げどずっぎり゛ー!」 「すっきりー! なんだぜー!」 にょきにょきとれいむの頭から茎が生えてくる。新鮮な赤ゆである。 「ゆ゛っ。でい゛ぶの゛ばーじん゛ばばり゛ざに゛あ゛げだがっだげど、ゆっぐりごのあがちゃんをそだでるよ……」 ゆっくりした赤ちゃんだね、とれいむが呟いた直後。 ガチン、とかみ合わさる歯によってゆぅゆぅとゆっくりしている赤ゆたちはこの世から解き放たれた。 「むっしゃりー! むーしゃむーしゃしあわせなんだぜー!」 「赤ちゃんはゆっくりできるんだぜ! むーしゃむーしゃ!」 「まりさも欲しいんだぜ。れいむすっきりさせるんだぜ!」 「どぼじであがぢゃんだべちゃうのぉおおおおおぉおおお!!!!」 れいむが饅頭生産機に変わろうとしたとき、不意にれいむの餡子の中だけに音楽が響きだす。 ぴんぽろぱんぽろぴんぽろぱんぽろぴんぽろぱんぽろ。 れいぷされつつも、その音にゆっくりしてしまうれいむ。 「すっきりー!」 「ずっぎり゛ー!」 法悦の表情をにじませたれいむ。その茎から再び赤ゆが生まれ、直後にずどんと音が響き渡った。 ### 「はい。終了終わりありがとうございましたー!」 「なにいってるのおにいさん?」 「なんでもない。次は胴付きとか賢いゆっくりから転送してみようかなぁ」 街中の人間の表情ですら詳細に写すことのできる衛星からの映像で、 目標の地点のゆっくりたちがれいむに仕込んだ小型爆弾によって粉々に吹き飛んだことを確認した鬼意山。 その表情は希少種であるらんの死に悲しみをたたえているが、その三秒後には復帰していた。切り替えが早いのも鬼意山の特徴なのだ。 「よーし。次は頑張るぞー。まずは星人役のゆっくりを探さなくちゃな」 「おにいさんはゆっかりしてないわねぇ」 「なにをぉ。じゃあゆっくりしてやるよ」 「ゆ?」 部屋から出つつ、全裸の男はゆっくりゆかりを胸に抱えてすりすりなでなでぺーろぺーろしだす。 「ゆわぁぁぁあああああ。やめなさいっ。やめなさいっ! ぺーろぺーろはゆっかりできないわっ!」 「すっきりー! すっきりー! すっきりー! ゆかりはもちもちだね! すっきりー!」 「ゆわぁぁぁああああああ! やめなさいっ! やめなさいっ! やめなさいぃぃぃいいいいい!!!」 続かない。 つかテンポわりぃなぁ。 後半ダイジェストでごめんなさい。 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3529.html
『野良ゆっくり根絶計画』 舞台は今より百年程先の未来。ゆっくりは愛でられ食べられ虐待され捕まえられ殺され……と色々な事があったが徐々に数を増やしていった。 出鱈目な生態に生き物とは思えない成長の早さ、そして後先考えずに交尾をするのがその原因である。ゆっくりが出現した当初はペットにされることもあった。 だがゆっくりによる被害…特に畑荒らしや器物損害などが横行したため段々と人々から疎まれるようになった。メカドスやメカゆっくり、メカうーぱっく などのロボットを作り共存と監視を試みたがコストの高さやゆっくりの学習能力の無さ、そして何よりもゆっくりの個体数の把握ができていなかったことにより ロボットによるゆっくり対策は打ち切られてしまった。徐々にゆっくりを絶滅させるべきであるとの意見が多くの人間や妖怪から寄せられるようになった。 それでもゆっくりは根絶されなかった。なぜならばゆっくりの"出鱈目さ"に研究者が目をつけていたからである。特に体の構造は魅力であった。 生ごみや腐った食べ物、果ては限度はあるが食べ物ではないものまで消化し餡子やカスタードに変えてしまうのだ。 このような体の構造に目をつけた研究者は多かった。加工所もこれに目をつけ研究者に多大な資金援助を行い解明を急がせた。 多くの研究者が取り組み長い年月をかけ、ついに謎を解明することに成功した。 ゆっくりの体にある消化酵素を特定しこれを作り出すことに成功したのだ。これにより生ごみから餡子やカスタード、チョコクリームなどを精製することが可能となった。 もはやゆっくりは……不要。山でひっそりと暮らし人里に降りて破壊活動をしなかったら…ちゃんとした知能を持ち人間や妖怪と共存できていたら…… ゆっくりは抹殺されることは無かったであろう。しかし今更ゆっくりを教育することはできない。そもそも3分もすれば全てを忘れる餡子脳では教育も意味が無い。 冬になり加工所、妖怪、人間によるゆっくり根絶が行われることとなった。駆除対象はれいむ種、まりさ種、ありす種、ぱちゅりー種、ちぇん種である。 ゆっくりにはまだ多数の種族が存在するがこれらの種による被害がゆっくり被害の8割を占めている。よってまずはこれらの種がターゲットとなる。 また全てのゆっくりを消滅させるわけではない。ゆっくりをペットにしたいという者もいれば虐待に使いたいと言う者もいる。 既にペットとしてパートナーとして人間と共存できている殊勝なゆっくりもいる。そこで野良ゆっくりを駆除することとなった。ペット用、虐待用などのゆっくりは以後 人工的に繁殖させ教育することで賄うこととした。野良でも見込みのあるゆっくりが繁殖用として駆除を免れることになっている…いやむしろ駆除されたほうがいいのかもしれない。 ちなみに駆除の費用は全てゆっくりを利用した胡散臭い団体の財産から賄われている。ゆっくりんピースをはじめとする環境団体…いつの時代にも偽善団体は存在する。 その実はゆっくりを保護することをアピールし少々お頭の弱い金持ちから寄付を受ける一方で裏では好き勝手やっていただけの連中である。 ゆっくりを利用した宗教団体というのも存在した。詐欺団体も存在した。こうした胡散臭い団体に一斉に捜査が入り財産は全て没収され駆除費用に充てられることとなった。 これからお送りするお話はゆっくり駆除の様子をまとめたものである。都市部編、農村部編、山間部編の3編をお楽しみください。 -都市部- 都市部では農村部や山間部ほどゆっくりは見当たらない。都市部にいるゆっくりといえばペットとして生きているゆっくりがほとんどだ。 しかしペットブームが下火になった今飼いゆっくりが捨てられ野良化しているゆっくりも多い。こうした元飼いゆっくりにはペットであることを証明するバッチが 付いたままであることがあるため駆除にあたり飼いゆっくりの判別が一新された。バッチ無し&旧バッチを付けたゆっくりが駆除の対象となるわけである。 誤解を免れるため飼いゆっくりは当分の間外に出ることが禁じられた。都市部でのゆっくり被害の多くはゴミ荒らし、家屋侵入、飼いゆっくり襲撃&レイプである。 最近では元飼いゆっくりが乞食をするようになってきた。歌を歌ってカンパを募る種も現れたが聞けたものではない。騒音といっていい。 都市部に住むゆっくりはどこに住んでいるのだろうか?一番多いのはゴミ箱の中である。外に比べれば暖かく食料の確保ができるからだ。 前々からゆっくり対策が取られてきていたがそれでもゴミ箱に住むゆっくりはいる。まずは都市部のゴミ箱が全て撤去された。コンビニや駅などからゴミ箱が消えた。 「おかしいよ…きょうはごみばこさんがどこにもなかったよ…。えささんがとれなかったよ…」 「おきゃーさん…さみゅいよ…」 このゆっくりは元飼いゆっくりの親れいむと赤まりさである。いつものように巣(ゴミ箱)から近くにあるコンビニのゴミ箱へ餌を取りに行ったがゴミ箱が無く その後も餌を求めてゴミ箱を探したのだがどこにも見当たらず巣に戻ってきたところだ。 「ごめんねえ…きょうはえささんがとれなくて…ゆううう…」 「まりしゃおにゃかへったよおおおお。さみゅいよおおお」 「おうちでゆっくりしようね…ゆ?ゆゆゆゆゆ!!!!!」 残念ながらもうおうちは無い。 「ない!ない!どうして?どぼじでおうぢがないのおおおおおお」 「さみゅいよおおおおお。うわあああああん」 その後この家族は巡回中の加工所職員によって袋に詰められ回収されていった。 「ここはあったかいね!」 「うん。ここならふゆさんをこせるね。」 「あかいおうちさんとってもとかいはだわああ」 このゆっくりは農村部から流れてきた親まりさ、子まりさ、子ありす家族である。都心部で二番目にゆっくりが住処とするところは自動販売機である。 特に自販機の裏は人気プレイスであった。なぜならとても暖かく住みやすかったからである。小型のゆっくりなら自販機の裏側に納まることができる。 裏だけではなく缶の取り出し口を寝床とするゆっくりも多かった。 都心から自販機を全て撤去する…これはいくらなんでも無理があった。そこで地道に自販機を調べゆっくりを捕獲するということになった。 「そろそろえささんをさがしにいこうね!」 「まださむいよ~。もうちょっとゆっくりした~い」 ポイッ 「ゆ!おちびちゃんあぶないからおくにかくれてね。なにかおちてきたよ」 投げられたのは煙幕である。ただの煙幕ではない。唐辛子やタマネギのエキスが混ざったものである。投げたのは駆除にやってきた加工所の職員だ。 「おがあしゃん!めがいたいよ!!」 「げほっ!げほっ!」 「げほっ!おぢびしゃんはやくごごがらででね…めがしみるよおおおお」 ゆっくり達が自販機から出てきた。 「おじざんなにずるのおお!!ここはまりざのゆっぐりぷれいすだよお!!」 「こんなごどするなんでとかいはじゃないわ!!!いしゃr…」 職員は何も答えずに黙々とゆっくりを袋に詰めていく。 「なにするの!!まりさのおちびちゃんをかえしてね!!!ゆっくりできないじじいはしね!」 親まりさが職員に体当たりをする。彼はやれやれといった顔をする。今日はこれで10回目。いい加減ストレスも溜まってくる。 「しね!しね!ゆっくりしないでしね!」 「死ぬのはてめえだ」 彼は思いっきり親まりさを蹴飛ばした。このまりさでストレスの発散をするつもりだろう。 「いたい!いだい!!やべでええええええ!!!!!!」 彼は何度も何度も親まりさを殴り続けた。餡子が口から漏れ出している。 「おでがいじまずうううう!!!!ばりざの…ばりざはどうなっでもいいでずがらおちびぢゃんだけはあ!!!!」 まりさ種に珍しく母性の強いゆっくりである。彼が今日相手したまりさ種は皆子供や姉妹をだしに逃げ出そうとしてたのに。 「ゆぎゃああああ!!!!!!」 職員はまりさを破き袋の中に入れた。だが自販機から追い出してもゆっくりはまた自販機を住処とする。いたちごっこであるがゆっくりが根絶するまでやるしかない。 「ゆゆ!からだがうごかないよ!!!どうじで!!だれがだずげでえええええ!!!」 各家庭や至る所でゴキブリホイホイならぬゆっくりホイホイが設置された。数日ごとに加工所職員が回収し新しいのを設置していった。 「ちょっとくさいけどここならあめさんにぬれないね!」 排水溝に住み着くゆっくりもいる。当然水に濡れればゆっくりは溶けてしまうが水量の少なかったり水が全く流れていない排水溝に住み着くのだ。 特に都市開発によって使われなくなった排水溝がそのまま残っているところでは多くのゆっくりが見付かった。勿論全て回収された。 念のために下水道や地下鉄の線路まで調べられた。そういったところにもゆっくりは住み着く。そこでずっとゆっくりできると信じて…。 しかし全て回収されてしまった。 「庭に穴が開いてるんですけど…ゆっくりの巣穴かしら?」 「すぐに駆除に向かいます」 「家の軒下から変な声がします」 「多分ゆっくりでしょう。駆除に向かいます」 「倉庫の中が怖くて開けられないのですが」 「至急向かいます。整理の手伝いもいたします」 戸建やマンションにもゆっくりはいる。庭や軒下、物置、車庫etc…。あるゆっくりは唐辛子入り煙幕で巣を追い出されたところを捕獲された。 あるゆっくりは巣穴にお湯をぶち込まれ巣穴から脱出する前に汁粉になった。あるゆっくりは巣穴に油を注がれたあと火を点けられ焼饅頭と化した。 「あじゅいよおおおおお!!!!おかあああさあああんん!!!!」 「だじでえええええ!!!!ごごからだじでくだざあいいいい!!!」 「ゆっぐりじだいよおおおおおお!!!!!!」 住宅街にゆっくりの叫び声が響いた。誰も助けてはくれない。駆除を始めて4日は叫び声が絶えなかった。その後はゆっくりの声を聞くことはできなくなった。 「いやだああ!!!!たすけてえええ!!!!!」 「こっちにこないでね!あっちいってね!!」 「まりさはにげるんだぜ!!!!れいむがかわりににんげんさんにつかまるといいんだぜ」 「どぼじでぞういうごどいうのおおお!!!」 「うるさいんだぜ。まりさはもtt…」 毎日毎日ゆっくりは捕獲されていった。休日ともなればボランティアも参加した。公園、川原、駅高架下…至る所で袋を持った人間がいた。 「やべでええええ!!!!れいむはゆっぐりじだいだけだよおおおお!!!!」 「あじずはわるいごどじでなああいいいい!!!!とかいはにいぎでるだけだよおおおお!!!」 原則ゆっくりは捕獲である。餡子を撒き散らされては掃除に手間がかかるからである。だが時には殺していく人もいる。 誰も何も喋ってくれなかった。たいしたことは言ってない、喋るだけ無駄。ゆっくりが何か言ったらムカムカするだけだ。その前に駆除してしまえ。 都市部に住むゆっくりは段々以前に増してゆっくりできないことに気付いていった。餡子脳でも自分達が何者かに狙われていることに気付いたのだ。 真昼間に行動するゆっくりは減っていった。駅前で下手の歌を歌ったり物乞いをするゆっくりは消えていった。 早朝、都市部のある産廃場に多くの職員と妖怪、さらに巨大な加工所特製の透明な箱を積んだ大型車が集まった。都市部で最も大掛かりな駆除は産廃場であった。 廃車にタイヤに冷蔵庫、TV…野良ゆっくりにとっては住処として充分であった。時々ゴミが崩れ落ち何組かの家族が死んでしまうこともあったが。 「ゆっくりおきるよ…きょうこそえささんをみつけるよ…」 元飼いゆっくりのれいむである。最近このれいむをはじめゆっくりは餌を見つけることが出来ない。ゴミ箱が撤収されゴミ回収が徹底されたからである。 人間に見付かれば有無を言わさず袋の中に入れられた。「ゆっくりしていってね!」と挨拶をする前に潰されるゆっくりもいた。 れいむは思う。何で最近こんなに怖くなったんだろう?何でご飯が食べられなくなったんだろう?もう5日もご飯を食べていない。何かに狙われてる気がする。 そういえば飼いゆっくりすら見なくなった。隣に住んでいたありす一家や冷蔵庫の中で暮らしていたちぇん一家が帰ってこないがきっともうゆっくりできなくなってしまったんだろう…。 「おなかすいたよ…むーしゃむーしゃしたいよ…」 れいむの足取りは重い。れいむだけではない。この産廃場にいるゆっくりはみな早朝から出かけ餌を探しに行く。しかしどのゆっくりも餌を見つけることは出来なかった。 「おなかすいたよお…」 「ぜんぜんゆっくりできないよ…ゆああああんん!!!」 産廃場からは悲しげな泣き声がする。 「ゆぅ…ゆぅ…ゆ!」 れいむは急に止まり近くにあったタイヤの中に隠れた。 「にんげんさんがいっぱいいるよ…」 この産廃場に人間がやって来るのは数年ぶりだった。れいむは思い出す…。人間さん…れいむのご主人様はお姉さんだった。 ペットショップでちゃんと躾けてもらったのにお姉さんが怒らないのをいいことに我侭ばかり言ってた。散々文句言ったっけ。 ご飯が不味いだのふかふかのベットで寝たいだの……。ある日起きたら臭い所にいた。周りはゴミだらけだった。それから散々な目に遭った。 リボンはもうボロボロだしご飯はなかなか食べられないし…こんなことになって初めて自分が間違っていたことに気付いた。 「おねえさん…れいむが…わるかったよ…」 れいむは泣いていた。 さて集まった人達はみな作業服だった。彼らはここのゴミとともにゆっくりを回収しに来たのだ。 「ゆっくりを見つけたらこちらの箱に入れてください」 「粗大ゴミはこっちのトラックに積んでください。小さ目なのはこっちのトラックです」 「ではよろしくお願いします」 彼らは作業に取り掛かった。 「ゆゆ!にんげんさん!!!ゆっくりs」 ヒョイッ 「おでがいじまずうううう。なにがたべるぼのぐd」 ヒョイッ 「にんげんさん!!あまあまty」 ヒョイッ 「はやくれいむにあまあまさんもってきてね!!ゆっくりしないではやくしてね!」 「ゆ!まりさのおちびぢゃんになにするの!!!」 「むきゅ、ばかなにんげんさんね。ぱちぇのいうことがわからないの?」 そんな声を無視し彼らは黙々と作業する。ある者はゆっくりを捕獲しある者は粗大ゴミを片付けた。 「むじじないでえええええ!!!!」 「それはちぇんのおうちだよおおおお!!!!!!わがらないよー!!!!」 「ばりざのおぢびぢゃんをがえぜええええ!!!!!!」 誰も何も喋ってくれない。数分後ようやく自分達がターゲットにされていることに気付いた。 「ゆっくりしないでここからにげるよ!!」 「りぇいみゅのおうぢがああ!」 「おうちはまたちがうところでみつけようね!!みんなおくちのなかにはいってね!」 「わからないよーわからないよー!!」 「れいむをもっていくといいんだぜ!まりさはにげるんだぜ!」 「ゆっくりしないでにげるよ!おちびちゃんのぶんまでゆっくりするよ!」 「むきゅ…ぱちぇをおいてがないでええ」 「ばりざあああ!!!!たすげでえええ!!!」 辺りはパニックになった。必死にみな逃げた。しかし産廃場の周りには網が仕掛けられており外に逃げることは出来なかった。 「だじでええええ!!!!!ごごがらだじでええ!!!」 「あじずはなんにもわるいごどじでないよおおおお!!」 「はごのながはいやああああああ!!!!!」 産廃場はゆっくりの悲鳴でいっぱいだった。中には既に諦めているゆっくりもいた。 「ゆっくりしないでころしてね…」 「いなくなっちゃったまりさのところにいかせてね…」 「おねえさん…ごめんなさい…」 あのれいむもその中の1匹であった。 数時間後産廃場は綺麗になった。ゴミも無い、ゆっくりもいない。ただの空き地になった。 袋に詰められたゆっくりは各地からゴミ焼却場に集められた。何にも利用されることは無い。焼却処分するだけである。 ゆっくりを確実に殺すことができ尚且つあまり手を汚さない方法だからだ。 「あじゅいよおおおおおおお!!!!!」 「でいぶなにもわるいごどじでないよおおおおお!!!」 「ゆっぐりできるおうだうだうがらゆるじでええええええ!!!!」 「ばりざのばがあああああ!!!!どがいにいげばだべぼのがいっばいあるっでいっだのにいいいいい!!!!!」 「らんじゃまあああ!!!!!!!」 「おにいいざあんんんん!!!!!たずげでえええ!!!!!」 「ぼうわがばばいばないがらごごがらだじでよおおおお!!!!」 焼却炉にはゆっくりの断末魔が響く。この様子を多くの人が眺めていた。 「こ…こわいよおおお」 「まりさ、ちゃんと目を開けて見るんだよ」 「でいぶ…じにだくなあいいい…」 「れいむはああはならないよ。ちゃんとしていればね」 「悪いことをしたらああなるんだよ。わかったね」 「わかりましたあああ!!!!」 「ぼうずぎぎらいじまぜん!!」 ある人は飼いゆっくりを連れ野良ゆっくりが焼かれるところを見せつけていた。 「とってもいい音色だなあ」 「録音とかしてないんすかね?」 「しかしこれで虐待が出来なくなると寂しいですね」 「ちょっとの間だけだよ。野良潰したってあの生態だ、養殖モノもすぐに発売されるさ」 「半年以内にまた虐待できるって聞いたぜ」 彼らは虐待鬼意山と呼ばれる人たちだ。ゆっくりの断末魔が延々と聞けると聞いてやって来たのだ。 焼いても焼いてもまたゆっくりが投下される。全てのゆっくりを焼却し終わるのに1週間かかった。焼却処分が終了したあと焼却場には 餡子の匂いが充満していた。とても重苦しい匂いだった。まるでゆっくりの怨念が漂っているかのように。 都市部の野良ゆっくりはほぼいなくなった。ほんの一部のゆっくりは危険を察知し農村へ逃げ出した。農村に逃げられたのはその中の一部だけだった。 だが農村でもゆっくり駆除が始まっていた。そのお話はまた次の機会に。 その後も加工所の職員やボランティアによって毎日見回りが行われ生き残ったゆっくりを回収していった。1日10匹も見付からない。 ある日突然加工所は野良ゆっくり1匹につき10万円で引き取ると発表した。人々はその高値に驚いた。しかし行動は早かった。 子供からお年寄りまで周辺を探し始めた。休日ともなるとほとんどの人がトレジャーハンターと化した。どこか探していないところは無いか? どこか穴は無いか?どこかに隙間はないか?運良く見つけたゆっくりを巡って喧嘩が起きることもあった。 ある者は空き家を見つけそこで10匹以上のゆっくりを捕獲することに成功し大儲けをした。なんだ、まだいるじゃないか。 飼いゆっくりはそんな状況をTVや噂で聞き更に人間に従順になった。捨てられたら人間に見付かった瞬間加工所行きだ。 もしかしたら飼い主がお金欲しさに自分を売ってしまうのではないか?いい子にしてなかったら加工所行きなのでは?文句を言ったら加工所行き? 朝起きたら加工所にいるのではないか?いや、もう朝が来ないのかもしれない……。 ストレスで死ぬ飼いゆっくりも現れた。飼いゆっくりはもう"ゆっくり"ではなかった。ただの喋るペットになった。 もはやゆっくりに居場所は無い。 農村部編へ続く by 虐待おにいちゃん あとがきやら加筆修正 皆様はじめまして。様々な意見や感想を頂きました。 ありがとうございます。 さて私のSSは全て同じ世界観を有しているつもりです。当初では幻想郷を舞台としてましたがその後のSSの内容や色々と矛盾が発生したことから幻想郷という設定を外しました。 といって現代社会でもありません。 ……現代社会でもなく幻想郷でもない…また別の世界です。 物凄く出鱈目で強引な設定ですがゆっくり自体が出鱈目な 生き物なので…これで許してください。 今後ともよろしくお願いします。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/583.html
じめじめと不快な季節がやってきた。 所謂、梅雨だ。 この時期は、長く雨が振り続け外に行く事もできない。 全く、こんな時期に成功報酬の二週間の休暇を言い渡されても家でボーっと過ごすだけだ。 と、昨日まではそう思っていたのだが、今日になってふと面白い事を思いついた。 早速実行に移すべく、自慢の離れに食料を運んでいく。 一階は車庫になっているが、二階に若干の生活スペースが有る自慢の離れだ。 足りない分を近くも店で買ってきた時、離れの中で最早おなじみとなった声が聞こえてきた。 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりできるね!!!」 覗き込むと、やはりゆっくりだった。 霊夢と魔理沙、それにパチュリーとアリス。 よく見かける、仲良しグループだ。 手間が省けた、と俺が一息つくとあっちも俺に気が付いたようだ。 「ゆゆ!! おにーさん!! ここはれいむたちのゆっくりすぽっとだよ!!!」 「おにーさんはゆっくりできるひと? できなかったらまりさたちにたべものをおいてさっさとでていってね!!!」 「「「「ここでゆっくりするよ!!!!」」」」 外は朝からシトシトと霧雨模様だった。 おそらく、昨日遊んでいるうちに降り出した雨の所為で帰るに帰れなくなっていたのだろう。 そして、近くでここを見つけた、と。 「いいぞ。ここはお前達にくれてやる。食べ物は二階においてあるから、好きなだけ飲んだり食べたりして良いからな」 「ちがうよ!! ここはまりさたちがさきにみつけたんだよ!!!」 「むっきゅ~♪ おじさんはばぁっかだねーーーー!!!!! ぱちゅりーのほうがあたまいいよ!!!」 「やっぱりいなかものはだめだね!!!」 「「「「「おじさんはばかだからゆっくりできないね!!!」」」」」 ……。 オレンジジュースも二階にあるよ。 と伝えるとキャッキャ言いながら勢い良く二階にすっ飛んで行った。 「ゆ~!! ひろいよ!!!! ひろいよ!!!!」 二階に上がったゆっくり達の感想だ。 ロッジを思わせるような室内には、水道とガスが通っている。 向かいに有る棚には、洋酒がずらっと並んでいたが、これは危ないので撤去した。 「それじゃあ、食べ物はこの冷蔵庫の中に入ってるからね。一番下は凍ってるもので、その上は冷たいの、じゅーすは冷たい方に入ってるよ。 それから、他の美味しい食べ物はこっちね」 俺は、一つのカップめんと冷凍ピザを出し、調理を始めた。 といっても、ゆっくりに見えないようにお湯を入れることと温める事だけだが。 辺りに、食欲をそそる良い匂いが立ち込めてくれば準備完了。 一本だけ冷やしておいた缶ビールを手に取り、一気に麺を啜る。 麺と一緒に、スープの香りも口の中に入ってくる。 そうしたら、今度はピザだ。 ゆっくり達の所にまで匂いが届いているだろう、食欲をそそるサラミが載った部分を切り取って口に運ぶ。 とろ~んとチーズが糸を引き、ピザと口との橋を造る。 「ごく!! ごくっ!!!」 それを、一気にビールで飲み干す。 きりっとした喉越しが、今まで食べた分の喉の渇きを一気に消し去る。 「ぷっはぁ~~~!! しあわせ~~~~!!!!!」 最高の、デモンストレーションを行った俺は、それじゃあねと言って離れを後にした。 勿論、二回には鍵をかけて。 ―― yukkuripart 男が出て行ってすぐ、ゆっくり達は今のとても美味しそうな食べ物の話題で持ちきりだった。 「すっごくいいにおいがしたね!!!!」 「とってもおいしそうだったね!!!!」 「とかいはのありすは、のみものがいっきゅーひんだとおもったよ!!!」 「ぷっきゅ~♪ ぜんぶぱちゅりーたちのだよ!!!!」 「「「「ゆっくりできるね!!!!!」」」」 「さっそく!! おいしそーなのたべようね!!!」 「「ゆっくり~~~♪」」 満面の笑みでキッチンへと向かっていく四匹。 目の前にはダンボール。 中には、先ほどのカップめんが沢山入っている。 「ゆっくりいっぱいあるね!!!」 「たりなくなったらまたおにーさんにかってきてもらおうね!!!」 「まりさおかーさんあったまいーーー!!!」 「ゆゆゆ♪」 全員で手分けして出していく。 全員分のカップめんを出し終えた所で、それ以上は出さなかった。 「みんなでゆっくりたべようね!!!」 「「「「「ゆっくりいただきま~~~す♪」」」」」 何時もの挨拶を全員で言うと、待ちに待った食事の時間。 ゆっくり達は一斉に蓋を開けようと顔を近づける。 しかし。 「ゆゆ!!! あがないよ!!!」 「つるつるすべるよ!!!」 しっかりとビニールで包装されているそれは、ゆっくりたちでは破けないようだ。 「ゆっくりだいじょうぶだよ!!! ぱちゅりーにまかせてね!!!」 パチュリーは、容器を転がして良く観察する。 「むきゅ!! ここからやぶけるかも!!」 裏側の、二重になっている部分を器用に噛み千切る。 見事、包装を解くことに成功したようだ。 「さすがぱちゅりーだね!!」 お礼を言って、他の三匹も同じようにビニールを破ってゆく。 そして、今度こそ蓋を開けていく。 「「「「ゆゆ!!!!」」」」 その中に入っていたのは、カチカチな塊と幾つかの袋。 その内一つは中に野菜のようなものが入っている。 「ゆゆ!! これはたべられないよ!!!」 「ゆっくりできないよ!!!」 「これはふりょーひんだよ!!! とかいはのありすはそくしってるよ!!!」 そう言って、ゆっくりアリスは他のカップめんを箱から出して、蓋を開ける。 ニコニコして開けるが、中身は先程と同じだった。 「ゆーーー!!! こっじもたべらないよーーー!!!!」 「むっきゅ!! どーじで!!! どーじで!!」 「さっぎのおにーざんはゆっぐりできでたのにーーー!!!」 「きっとおにーさんにはゆっくりさせて、れいむたちにはゆっくりさせるきがないんだよ!!!」 「そうだね!!! それならまりさたちもゆっくりさせてあげないよね!!!」 そう結論付け、箱に戻していくゆっくり達。 「ゆっくりできないたべものはそこでゆっくりしててね!!!」 「ゆっくりさせてっていっても、だしてあげないからね!!!」 「むっきゅ~~♪」 箱に戻し終えた四匹は、満足そうに息を溢し次の食事を食べようと考えていた。 「さっきのおーきくてまるいのたべようね!!!」 「あれなら、みんなでゆっくりたべられるよ!!!」 「かいしょくぱーてーだね!!!」 「ここにはいってるんだよ!!!」 冷凍室に体当たりしながら、ゆっくり霊夢が嬉しそうに報告する。 「そうだよ!! はやくみみんなでだそうね!!」 「「「「ゆっくりだそうね!!!」」」」 頭部に邪魔の少ない霊夢とアリスが、冷蔵庫に高等部を合わせて取っ手に噛み付く。 「「ゆーーーーー!!!!」」 そのまま重心を前に傾ければ、扉は簡単に開けることができた。 「ゆゆ!! ここはさむいね!!! はやくだそうね!!!」 「うん!! ゆっくりはやくだそうね!!!」 直ぐに、残りの二匹も中に入り込んできて運び出すのを手伝う。 「ゆ~みんなでたべようねーーーー!!!!!!」 大きなピザを目の前にして、霊夢が三匹の友人に尋ねる。 「「「ゆっくり~~~♪」」」 そして笑顔で霊夢に答えるゆっくり達。 「「「「いっただきま~~~す♪」」」」 先程の出来事もあり、ものすごい勢いでピザに食いついていくが今回も食べることはできなかった。 「ゆ!! かだい!!! つべたいーーー!!!!!」 「どーじてーーー!!!!! これじゃあてべらないよーーー!!!!!」 「とかいはのありすでもわからないよーーー!!!」 「むぎゅーーー!!! ごはんたべたいーーー!!!!!」 どうして自分達が食べる事ができないのか、幾ら考えてもゆっくりには分からないだろうが問題は、食事を取らないとゆっくりできなくなるといった事だ。 「ゆゆーー!! おなかすいたーーー!!!!」 「!! そうだ!! じゅーすをのもうね!!!!」 「そうだね!! じゅーすはありすたちでものめるもんね!!!」 「むっきゅーーー!!!」 冷凍庫の縁に体を乗せ、そこから冷蔵室に入り込む。 「ゆっゆ♪」 気分は知らない所に探検に逝くような気分。 中には、沢山のじゅーすが所狭しと並んでいた。 「ゆーーー!!いっぱいあるねーーーー!!!!」 「むっきゅ!! これがおれんじじゅーすたよ!!!」 自分達がゆっくりできるモノの名前を知っているパチュリーが、魔理沙に教えてあげる。 「ゆ!! ほんとうだ!! おれんじのえがかいてあるね!!!」 「むっきゅ~~~♪ はやくはこびだそうね!!!」 そこからは、下にいる二匹との共同作業だ。 「ゆ! っぱ!」 「はむ!!」 上の二匹咥えた缶を下の二匹に投げ落とす。 それを、下にいる二匹は器用にキャッチする。 「これでいいね!! ゆっくりのめるね!!!」 「むっきゅ~♪ やっぱりまりさはすごいね!! すごくうんどうができるね!!!」 「ゆゆゆ♪」 パチュリーに褒められた魔理沙は、不意をつかれたようで、顔を真っ赤にして照れている。 「ゆ!! ふたりともはやくきてね!! ありすたちがまってるよ!!」 なかなか戻ってこない二匹に、アリスが文句を垂れ流す。 「ゆ!! ごめんね!!」 「むっきゅーー!!! すぐもどるよ!!!」 てへへ、と笑いながら駆け寄っていく。 プクーっと頬を膨らませているアリスも、本気で怒っているわけではない。 この四匹は何時でもいっしょ。 子供のときからいっしょ。 だから、お互いの事は良く知っているのだ。 「ゆーー!! それじゃあみんなでかんぱいしようね!!!」 「ゆゆ!! かんぱいって?」 「かんぱいは、おめだたいことがあるときにみんなでいうんだよ!! そしてどうじにのみのもをのむの!!!」 「ゆゆ!! ありすはすごいね!!!」 「むきゅ!! さすがとかいはだね!!!」 「ゆへへ♪」 今度はアリスの顔が緩む。 「もう!! はやくじゅーすのもうね!!!」 「むっきゅ!! はやくはやく!!!」 今度は、食い意地の張っている霊夢とパチュリーが急かす。 「ゆゆ!! ごめんね!! ありすがかけごえをかけるね!!!」 「ゆ!! ゆっくりいってね!!!」 「ゆ!! かんぱーーい!!!」 「「「「かんぱーーーい!!!!!」」」」 缶を咥え、上へ傾ける。 中からは、美味しいオレンジジュースが流れてこない。 「ゆゆ! ふぁがれてふぉないおーー!!!」 「ほーしでーーーー!!!」 「ふぁんでーーー!!!!」 「無ギューーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」 ―― 夕方、離れに戻ると、四匹が血相を変えて俺に駆け寄ってきた。 「おじさん!!!! はやくおいしーのたべさせてね!!!!」 「おいしいまるいのいっぱいたべたいよ!!!!!」 「じゅーすものませてね!!!!」 「むっきゅーーーーーーー!!!!! おながたすいたーーーーー!!!!!」 なんなんだ一体。 「おいおい。ここはお前達の家だろ。自分達で準備しろよ」 「ほら、冷してやるから」 転がっていた缶ジュースを拾って冷蔵庫に入れる。 そこから、に家から持ってきた缶ビールを数本入れておく。 「さーて腹が減ったなーー!! 飯食べるかなーー!!」 「ゆゆ!! おにーさん!! それはたべられないよ!! おにーさんだけゆっくりさせるんだよ!!!」 カップラーメンを取り出すと、確かにあけた跡がある。 しかし、ゆっくりできないって何の事だ? 昼間同様に、カップラーメンにお湯を入れる。 今度はゆっくり達に見える様に、だ。 「ゆゆ!!!」 「ゆ~~~!!!!」 さて、もう時間だな。 蓋を捲ってすする。 先ほどと同じく、辺りに醤油の香りが漂う。 「むっきゅ~~~!!!」 次に冷凍ピザ。 これもゆっくり達に見せ付ける。 程なくして、こんがりとパンを焼いた香りが。 同時に、サラミとチーズ、そしてコーンの匂いが追随する。 「それじゃあ、いただきまーーす♪」 四匹の前で缶ビールを開けてまず一飲み。 ゴクッ、ゴクッ。 「ゆ~~~~!!!!」 梅雨とはいえ蒸し暑い、渇いた喉に勢い良くビールが流れ込んでいく。 「プッハ~。うまい!」 ピザも良く焼けているなあ。 今度はタバスコをかけて食べよう。 ハラペーニョソースをかけていただく。 一ピース取ると、具の自重で先端が頭をたれる。 「ゆ!! ゆーーー!!!!」 パクッと一口。 ハラペーニョの酸味と辛味が心地よい。 塩気が多くなってきたので、もう一本ビールを取り出して流し込む。 「ゆくっくりーー!!!! おにーさんれいむもたべるーーー!!!!!」 ピザをもう一ピース。 「ありすにもちょーだい!!! とかいはならあっそわけしてね!!!!」 ビールを飲む。 「むっきゅーーーー!!!!! たべたいーーー!!! たべたいーーー!!!!」 「まりさたちにもたべさせてーーー!!!!!」 「イヤー美味い。おまえ達も自分で用意しろよ。ここはお前達の家なんだからな!!」 「「「「ゆっぐりしたいーー!!!!!!」」」」 雨は二週間降り続けるそうだが、なかなか楽しい休暇になりそうだ。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1130.html
「ゆっくり水難事故」 「ゆっくりー♪ゆっくりー♪」 「きょうもみんなでゆっくりしようね!!」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 草原を縦断する、饅頭の列。 先頭に立っているのは、母親のゆっくりれいむ。 後ろの子供たちがちゃんとついて来られるように、ゆっくりと前進していく。 「ゆっくちー♪」「きょうはどこでゆっくりするんだろうね!!」「ゆっくりたのちみだね!!」 にこやかな笑顔を浮かべて、母親についていく5匹の赤ちゃんゆっくり。 生後2週間になる赤ちゃんゆっくりたちは、外に出るのは今回で3回目である。 最近になってやっと巣の外に出してもらえるようになったので、お出かけが楽しみでしかたないのだ。 「おちびちゃん!!ゆっくりついてきてね!!ゆっくりでいいからね!!」 「ゆっきゅりついていくよ!!」「ゆっくちいこうね!!」 母れいむは、赤ん坊を連れて外に出るのが不安ではあったが、同時に嬉しくもあった。 子供の成長を喜ぶのは、人間だろうとゆっくりだろうと親なら当然のことなのだろう。 「ゆっ!!きょうはここでゆっくりしようね!!」 到着したのは、巣からそれほど遠くない小川の畔。母れいむは、水の流れがよく見える場所に子供たちを整列させる。 赤ちゃんゆっくりたちは初めて目にする水の流れに興奮気味だが、母の言いつけを守ってその場に並んだ。 「ゆ!!きれいだね!!」 「とてもゆっくちできそうだよ!!」 太陽の光を反射して煌きながら、穏やかに流れる川。 綺麗に透き通っているそれは、ゆっくりでなくても目を奪われるほどの美しさだ。 「ゆんっ!これは“おみず”というものだよ!!とてもゆっくりできるものだよ!!」 母れいむが、赤ちゃんゆっくりに向かって説明する。 今日ここへやってきた目的は、赤ちゃん達に水について教えてあげるためだったのだ。 「ゆゆ~!!ゆっくちできりゅの!?」 「しゅごい!!おみずさん!!れいむたちをゆっきゅりさせてね!!」 「はやくゆっくちしたいよ!!おかーさんいいでしょ!?」 ゆっくりできるものだと聞いて、赤ちゃん達は興奮を抑えるのがやっとだ。 中には、もう小川に飛び込もうとしているゆっくりもいる。 「まだせつめいがおわってないよ!!ゆっくりおはなしをきいてね!!」 「ゆん……」 今すぐにでも小川でゆっくりしたかったのだが、母れいむに咎められてしゅんとする赤ちゃん達。 しかたなく、母れいむの説明を聞くことにした。 「おみずはとてもゆっくりできるけど、ずっとさわってるとゆっくりできなくなっちゃうんだよ!!」 「ゆゆ~!?いやだよ!!ゆっくちしたいよ!!」「おみずさんどうしてゆっくちさしぇてくれないの~!?」 水は、冷たくて気持ちいいし汚れも洗い流してくれる。 しかし、ずっと水の中にいると水分を吸収して膨張したり溶けたりしてしまい、最終的には皮が破れて中身が漏れてしまう。 母れいむはこれを子供の頃に自分の母親から聞き、そして実際に水遊びしすぎて溶けてしまったゆっくりも見た。 水はとてもゆっくりできる。しかし、同時にゆっくりにとって危険なものでもあるのだ。 「ゆ!でもだいじょうぶだよ!!ながいあいださわらなければ、とてもゆっくりできるよ!!」 「ゆ~?ほんとう?」「ゆっきゅりできるの?」「ゆっくりできなくならない?」 心配そうに母れいむに問いかける子供たち。 母れいむは、無用な心配を取り払うべく笑顔で子供たちに呼びかけた。 「だいじょうぶだよ!!おちびちゃんたちはしんぱいしないで、おみずでゆっくりしていってね!! おかーさんがおわりっていうまでは、ゆっくりできるからね!!そのときは、おみずからゆっくりはなれてね!!」 子供たちは、いつまで水に触れていられるのかを自力で判断できない。 だから母れいむは、ゆっくりできなくなる前に自分が子供たちに合図を送ることにしたのだ。 そうすれば、子供たちは何も恐れることなくゆっくりすることができる。 母れいむが水から離れるよう呼びかけたときに、その声に従えばいいのだから。 「おちびちゃん!!ゆっくりあそんでいってね!!」 「ゆっきゅり~♪」「ゆっくちあそぶよ!!」「みんなでゆっくりしようね!!」 母れいむの許可が下りたので、我先にと小川へ飛び込んでいく赤ちゃんゆっくりたち。 「ゆ~♪ちべたい~♪」 「おみずさんおいちいね♪」 「それー!!ゆっくりぴゅ~♪」 「ゆゆ!やったな!!ゆっくりー!!」 ころころ転がって、水の冷たさを味わう赤ちゃんれいむ。 好奇心から水を口に含み、その染み渡るような美味しさに感動する赤ちゃんまりさ。 水鉄砲のように、水を吹き出して遊んでいるものもいる。 「ゆー!!あまりとおくにいっちゃだめだよ!!ゆっくりできなくなっちゃうよー!!」 「「「ゆっくりりかいしたよ!!おかーしゃん!!」」」 元気に返事を返してくる赤ちゃんゆっくりたち。 とてもゆっくりしている姿を見て、母れいむはとても幸せな気持ちになった。 ゆっくりした子供を見ていると、自分もゆっくりとした気分になる。それこそが親ゆっくり共通の幸福なのだ。 「ゆぅ~!とてもゆっくりしてるね!!」 片親で5人の子供を養えるか、母れいむは不安に思ったこともあったが…何とかここまで育てる事が出来た。 きっとあっという間に大きくなって、おうちも狭くなってしまうだろう。 自分達で狩りに出かけるようになって、もっとたくさんご飯を食べるようになるに違いない。 そしたら子供たちは独立して、自分だけで生きていくようになる。 そのことを考えると少し寂しくなったが、それ以上に母れいむは子供たちの成長が楽しみだった。 思い描いた将来を現実のものにするためにも、子供たちは自分が守っていかなければ! 母れいむは、強く決意した。 「ゆゆっ!!みんな!!おわりだよ!!そろそろもどってきてね!!おみずからはなれてね!!」 「ゆゆ~!ゆっくちもどるよ!!」 「こんどはおかーしゃんとゆっくりするよ!!」 母れいむの呼びかけに応じて、赤ちゃんゆっくり5匹はみんな母の周りに集まった。 ぶるぶると犬のように身体を振って、水気を飛ばす赤ちゃん達。 若干の湿り気は残っているが、この程度なら大丈夫だと母れいむは判断した。 「ゆ~♪しゅっきりしたよ!!」「すっきりー!!」「もっとあそびたかったよ!!」 「ゆっ!!からだがかわいたら、またゆっくりしてもいいよ!!それまでゆっくりまっててね!!」 母れいむの言いつけどおり、水に触れない場所で身体が乾くのを待ち始める赤ちゃんゆっくりたち。 その時、対岸にひとりの青年が現れた。 短パンにTシャツという、とても涼しそうな格好をしている。 「ふぅ~涼しいなぁ~」 「ゆ!?おにーさんはゆっくりできるひとなの?」 飴細工が溶けたようなだらしない顔をして、水中に脚を投げ出して座っているお兄さん。最高に気持ちいいらしい。 真夏の家屋の中は、風通しがよくてもそれなりに暑い。人里で空調設備を持てるのは、村の重役か金持ちぐらいである。 だから、一般村人であるお兄さんは、夏はこうして小川で涼むのを日課としていた。 「おー、最高にゆっくりしてるぞー」 寝言ではないかと疑いたくなるぐらい、間延びした声で答えるお兄さん。 その様子を見て母れいむは目の前の人間が敵ではないと判断した。 「ゆぅ……ゆ!おにーさんもゆっくりしていってね!!」 「おにーしゃんもゆっきゅりできるんだね!!」「ゆっくちしちぇいってね!!」 本当は自分達だけのゆっくりプレイスにしたかった。 だが、子供たちの前で人間を追い出すのは教育上あまりよろしくない。 そういった理由で、母れいむは目の前のお兄さんを渋々受け入れることにした。 こちらから何もしなければ、向こうも危害を加えてこないだろうと判断したのだ。 何より、子供たちがお兄さんに懐きつつあるので、彼を排除する理由はなくなった。 「ゆゆん!そろそろかわいてきたね!おちびちゃん!!もういちどゆっくりしてきていいよ!!」 「ゆゆーい!!」「ゆっくりぃ~♪」「おみずでゆっくりするよ!!」 頃合を見て、再び赤ちゃんゆっくりに川で遊ぶよう呼びかける。 畔でうずうず我慢していた赤ちゃん達は、一斉に水の中へ飛び込んでいった。 「ゆゆーん♪」「ちべたいー♪」「ぴゅるる~♪」 「おぉ、みんな楽しそうだな!」 お兄さんも対岸から川の流れを横切って歩いてきて、赤ちゃんゆっくりの輪に混ざる。 「ゆー♪おにーさんもゆっくちしていっちぇね!!」 「おみずはとてもゆっくりできるものだよ!!おかーしゃんがいってたよ!!」 「おにーしゃんもいっしょにゆっくちしようね!!」 「そうかそうか。それじゃ、お兄さんも一緒にゆっくりしようかな」 もう赤ちゃんゆっくりたちは、完全にお兄さんに懐いている。 お兄さんもかわいいゆっくりと遊ぶ事が出来て、とても嬉しそうだ。 「ゆー…すごいゆっくりしてるよぉ…」 やっぱり、お兄さんをここから追い出さなくて正解だった。子供たちは、皆すごく楽しそうにゆっくりしている。 母れいむは、自分の判断が正しかったのだと確信した。 「それ!お兄さん負けないぞ!」 バシャァ!! 「ゆーゆっくちー♪」「おにーさんつよいね!!」「でもれいみゅたちもまけないよ!!」 お兄さんと水を掛け合って遊んでいる子供たち。 「ゆらゆらぁ~」「ゆらゆらゆっくりぃ~」 その傍らでは、水に漂ってゆっくりしている2匹の子供たち。 ここは流れがとてもゆっくりしているので、気づかないうちに遠くへ流されてしまう、という心配はない。 「……ゆゆ!」 母れいむの本能が、そろそろ頃合だと告げた。 「みんな!!そろそろこっちにあがってきてね!!ゆっくりできなくなっちゃうよ!!」 「ゆ~!」「みんなであがろうね!」「みんなでゆっきゅりしゅるよ!!」 「あ、皆待ってよ!」 お兄さんが、陸に上がろうとする赤ちゃん達を呼び止めた。 180度振り返って、赤ちゃん達はお兄さんを見上げる。 「どうして戻っちゃうんだい?皆でもっとゆっくりすればいいじゃないか」 お兄さんは、どうして赤ちゃんゆっくりが急いで陸に上がろうとしているのか、疑問に思っているようだ。 逃げるように陸へ跳ねていく赤ちゃんゆっくりの行動が、彼にはまったく理解できなかったのだ。 「ゆ!ずっとおみずにさわってるとゆっくちできなくなりゅんだよ!!」 「そうだよ!!おかーしゃんがいってたよ!!ゆっきゅりできないのいやだよ!!」 「え、そうなのか?……でも、お兄さんはずっと水に触ってても平気だったぞ?」 「「「ゆゆぅ~?」」」 5匹揃って、首を傾げる。 お母さんは確かに言っていた。お水にずっと触ってるとゆっくりできなくなる、って。 でも、お兄さんはずっとお水に触ってても、ゆっくりできている。 ………どうして? その疑問の答えを、赤ちゃん達は自分なりに考え…そして、結論を出した。自分の都合のいいように。 「おちびちゃん!!はやくこっちにもどってきてね!!ゆっくりしてたらだめだよ!!」 「ゆゆ!でもおにーさんはゆっくちできりゅっていってるよ!!」 「だったられいむたちもゆっくりできるはずだよね!!」 「ゆゆ!?おちびちゃん!!なにをいってるの!?」 赤ちゃん達がいきなり変なことを言い出したので、母れいむは驚いてしまった。 さっきあれほど言い聞かせたのに……どうしてそんなことを言うのだろうか? 「おちびちゃん!!いいかげんにしてね!!はやくもどってこないと、ゆっくりできなくなるよ!!」 「お母さんはあんなこと言ってるけど、気にしないで一緒にゆっくりしようよ。みんなももっとゆっくりしたいだろう?」 母れいむの再度の呼びかけをかき消すように、お兄さんは赤ちゃん達に呼びかける。 赤ちゃんゆっくりたちもまだまだ遊び足りないので、再び陸から離れて水の中へ飛び込んでいく。 「ゆ~♪もっとゆっきゅりするよ~♪」 「ゆん♪おにーしゃんもいっしょにゆっくいしようね!!」 「おちびちゃん!!おかーさんおこるよ!!さっさとこっちにもどってこないと、ほんとうにゆっくりできなくなるよ!! おにーさんもへんなこといわないでね!!おにーさんにもおきゅうをすえることになるよ!!」 母れいむは本気で怒っていた。言いつけを守らない赤ん坊は、きつく叱ってやらなければならない。 おかしなことを言うお兄さんもだ。これ以上子供たちのためにならないことを言うようであれば、ゆっくりできなくさせる必要がある。 これぐらいきつく怒鳴りつければ、赤ちゃん達は怖がって言うことを聞くだろう、と思っていたが… 返ってきた声は、母れいむがまったく想像していなかったものだった。 「ゆっ!!でもれいむたちはちゃんとゆっくりできてるよ!!」 「おかーさんはうそをついてるね!!うそつくおかーしゃんとはゆっくりできないよ!!」 「うそつきはむこうにいってね!!まりさたちはおにーさんとゆっきゅりするよ!!」 「おかーしゃんはばかだね!!れいむたちゆっくちできりゅもんね!!」 赤ちゃんゆっくりたちは、完全にお兄さんが言っていることを信じきっていた。 実際、赤ちゃん達の体にはまだ変化が現れていない。そのため赤ちゃん達は、水が100%安全だと勘違いしてしまったのだ。 「どぼじでぞんなごどいうのお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!??」 こんな聞き分けのないことを言われるのは、赤ちゃんゆっくりが生まれてから初めてのことだった。 いつもはちゃんと言いつけを守ってゆっくりしていたのに…どうして今日は言うことを聞かないの? 母れいむは、子供に反抗された事がショックだった。 「ゆっきゅりぃ♪」「ゆっくちできるよ~♪」 「だろう?お兄さん、水に触っててゆっくりできなくなったことなんてないよ」 「ゆー、やっぱりおかーしゃんはうそをついてたんだにぇ!!」 「おにーさんがゆっくりただしいんだね!!」 「そうそう。大体水に触ってどうにかなっちゃう生き物なんていないって!」 「どうじでええ゛ええ゛え゛えええ!!!おがーざんはほんどうのごどをいっでるどにい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」 母れいむは、子供たちの信頼を失っていた。 自分は正しいことを言っているのに、子供たちはそれを理解してくれない。 とてもゆっくりした賢い子供たちなのに、何故かこれだけは理解してくれない。 そればかりか、自分を嘘吐きだと罵倒してくる。どうして?どうして? 母れいむの目には、うっすらと涙が浮かんでいた。 「ゆ゛!!しかたな゛い゛ね゛!!むりやりにでもゆっくりつれてもどる゛よ゛!!」 だが、いつまでもショックに打ちひしがれているわけにはいかない。 早く川から引き上げなければ、本当にゆっくりできなくなる。子供たちの命がかかっているのだ。 母れいむは自ら川に飛び込むと、ばしゃばしゃ水飛沫を飛ばしながら赤ちゃん達のところまで跳ね寄ってきた。 「ゆっ!?おかーしゃんもゆっくちするの!?」 「おかーしゃんはうそつきだけど、れいみゅはやさしいからゆるしてあげゆよ!!」 「ばかなこといわないでね!!ゆっくりしないでみずからはなれるんだよ!!」 子供たちの戯言にまったく耳を貸さず、母れいむは5匹の中で一番近くにいた赤ちゃんれいむをがっしりと咥えた。 言うことを聞かないのなら、無理やり陸の上に連れて戻る。子供に嫌われることを恐れている場合ではなかった。 「ゆーん!!ゆっくちはなして!!れいみゅはおみずのなかでゆっくちするー!!」 「おかーしゃん!!まりさたちのじゃまをしないでね!!」 「うそつきおかーさんとはやっぱりゆっくりできないよ!!いもうとをはなして、むこうでゆっくちしててにぇ!!」 赤ちゃんを無理やり連れて行こうとする母れいむに対し、残りの4匹は体当たりし始めた。 「ゆっくちはなしぇ!!」「ゆっくりはなせ!!」「うそつきはむこうにいってね!!」 ドン!ドン!ドン! バラバラの攻撃では殆ど効果がないが、4匹は息を合わせて同時に母親に体当たりしている。 皮を突き破るような致命傷には至らないが、母れいむのバランスを崩すには十分な攻撃だった。 「ゆゆ!!ゆっぐりやめでね!!ゆ!?…ゆぎゃんっ!?」 赤ちゃんゆっくりを咥えたままではまともな抵抗も出来ず…母れいむは勢いよく転んでしまった。 その衝撃で開放された赤ちゃんれいむは、姉妹の助けを借りて急いで母親から離れていく。 「ゆああああああああ!!!いうごどをぎいでね!!ほんどうにゆっぐりでぎなぐなるのお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」 「こんなことするおかーしゃんとはゆっくちできないよ!!」 「うそつきおかーしゃんはむこうにいってね!!こっちにこないでね!!」 「れいみゅたちだけでゆっきゅちするからね!!うそつきはじゃまだよ!!」 もはや、母れいむの真実の叫びに耳を傾ける子供はいなかった。 誰もが母れいむの言葉を嘘だと決めつけ、罵り、排除する。その言動に躊躇いは無い。 赤ちゃんゆっくりにとっては、自分が“今”ゆっくりできればそれでいいのだ。 再びお兄さんとゆっくりし始める赤ちゃん達。母れいむに邪魔されないように、どんどん離れていく。 「いがないでええええええ!!!ゆっぐじじないでおみずがらはなれでねえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛ええ゛え゛ええ゛!!!」 母れいむの直感が告げていた。今から追いかけても間に合わない、と。 可能な限りの大声で必死に呼びかける母れいむだが、赤ちゃんゆっくりたちは取り合わない。 「ゆんゆん♪」「ゆっくちー♪」「じゃぶじゃぶ~♪」 「みんなとてもゆっくりしてるね。水はとても気持ちいいもんなぁ」 「おみずはとてもゆっくちできゆよ!!」 「ずっとさわっててもゆっきゅりできるんだよ!!」 「れいみゅはずーっとおみずのなかでゆっくしするよ!!」 「がああ゛ああ゛あ゛ああ゛ああ゛あ゛あ!!!もうだめえ゛ええ゛え゛え゛え゛!!! はやぐおみずがらでてえ゛え゛え゛ええ゛ええ゛ええ゛え゛え゛!!!」 その時だった。一匹の赤ちゃんれいむが、自分の身体の異変に気づいたのは。 「………ゆ?」 なんだかムズムズする。最初はその程度だった。 だが……その感覚は、既に致命的な量の水分を皮が吸ってしまったことを意味している。 ドロォ…! 「ゆ!れいみゅのからだがどげでるう゛う゛う゛う゛!!!どぼぢでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!??」 ドロリと底部が溶け、身体の一部だったものが川の流れに乗って流れていく。 こんなのおかしい!信じられない!という表情の赤ちゃんれいむ。 母れいむの言っている事が嘘であると信じて疑わない赤ちゃんれいむにとって、今起こっている現象は“ありえない”のだ。 「ゆ゛ん゛!?まりじゃのがらだもおがじいよ!!なんだかうごきづらいよ゛!!」 真っ先に水分を吸うのは、ゆっくりの底部である。そこはゆっくりに言わせれば『足』にあたる部位だ。 そこが過剰な水分によってふやけ、溶けていくようなことがあれば……あとは言うまでもないだろう。 「ゆっ!!ゆっぐりおみずがらはなれるよ゛!!ゆゆ!?どぼじでうごげない゛の゛おおお゛お゛お゛お゛!!?? 「ゆがああああ゛あ゛あ゛!!!れいぶもうごげな゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」 気づいたときには、5匹全員が移動不可能になるぐらい底部を水に侵されていた。 ゆっくりにとって水が大敵となりうる一番の理由は……底部(足)に自覚症状が出たときには、もう手遅れだからだ。 雨に濡れて、全身が少しずつ溶けるのとは違う。 川や池でこの状態に陥ると、もう自力では脱出できずに死に至るのだ。 「どぼじでえええええええ!!!おにーざんはだいじょうぶっでいっでだのにい゛いい゛い゛いいい゛!!!」 「やだあああああああ!!!じにだぐないよおおおおおお!!!おがーじゃんだじゅげでえ゛え゛え゛え゛え゛!!!」 さっきまで罵倒していた母れいむに対して、助けを求める赤ちゃんゆっくりたち。 母れいむも、先の罵声にショックを受けたとはいえ、赤ちゃん達への愛情は失っていない。 自分の身を犠牲にしてでも赤ちゃんを助けようと、母れいむは大きく跳びはねた。 「ゆっぐりまっででね!!おがーざんがだずげにいぐがらね゛!!んぎゃあ゛!?」 川底の石を強く踏んでしまい、全身を走る激痛に身を震わす母れいむ。 底部に亀裂が入ってしまったのか、うっすらと餡子が漏れて川の下流へと流れていく。 「んぎゅうううううう!!!でもまけないよ゛!!あがぢゃんだちはれ゛い゛む゛がだずげるよ゛!!!」 身体はその激痛に悲鳴を上げている。涙がとめどなく溢れ、前が見えなくなる。 それでも母れいむは諦めなかった。苦労して産んで、苦労して育てた5人の赤ちゃん達。それを見捨てるわけにはいかない! 「おがーぎゃああん……れいみゅをだづげでねっぇ……!」 「までぃざは……もっど…ゆっぐじじだいのおおおぉぉ…………!!」 「まっででね!!もうずごじだがらね゛!!それまでゆ゛っぐり゛がんばるんだよ゛っ!!」 赤ちゃんゆっくりたちには、未来があるのだ。 これから成長して、すぐに母れいむと同じぐらいの大きさになるだろう。 そうすれば子供たちも自分で狩りをするようになる。 やがては皆巣立っていき、愛し合うパートナーと共にゆっくりとした家族を築くことになる。 母にとって、それはとても寂しいこと。でも、祝福すべきことだ。 だから母れいむは、やがて訪れるであろうその日まで…一生懸命子供たちをゆっくりさせてあげると決めた。 赤ちゃん達が成長して、やがて大人になって、その子供もちゃんとゆっくりできるように、と願って。 だから、母れいむは諦めなかった。 母れいむは、諦めなかった。 ……諦めなかった。 「………ゆゆ?」 母れいむがお兄さんのもとにたどり着いた時、目の前を流れる変なものを発見した。 スゥーっと川下へ流れていくのは、赤いリボン3つと黒い帽子が2つ。 よく見ると、周辺の水が茶色く汚れている。水面には黒い粒が浮かんでいるのを見つけた。 それらを見て、母れいむは目の前の現実をゆっくりと理解した。 「ゆ……ゆっぎゃあああぁぁぁあああ゛あ゛あああ゛あ゛ああ!!!れいぶのあがぢゃん゛がっ!! あぎゃぢゃんがああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああ゛あ゛あ゛ああ゛あ!!!」 気が狂ったように暴れだし、バシャバシャと水を跳ね飛ばす母れいむ。 その間、一部始終を目撃していたお兄さんは気だるそうに川岸から離れていく。 「あーあ、なんだか気持ち悪いもの見ちゃったな…」 「おまえのぜいだああああ!!!おまえがへんなごどいうがらあ゛あ゛ああ゛あ゛あ゛ああ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 背後からお兄さんに飛び掛ろうとする母れいむだが、華麗に回避されて顔面から水に突っ込んでしまう。 母れいむはすぐさま起き上がり、再びお兄さんに向けて口が裂けるぐらいの大声で叫んだ。 「おまえがうぞをおじえるがら!!あがぢゃんだぢはじんだんだぞ!!ゆっぐりごろじでやるう゛う゛ぅぅ!!」 「え?別に僕は嘘なんてついてないよ?『水に触っても大丈夫』っていうのは、僕のことだし」 「……ゆ?」 確かにその通りだった。 お兄さんは、『ゆっくりが水に触れていても大丈夫』などとは一言も言っていなかった。 ただ自分の経験で、自分に関することだけを述べていたに過ぎない。それをゆっくり一家は取り違えたのだ。 「ゆっぐぐぐぐ……いいわげじだってゆるざないぞお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」 子供を失ったショックと怒りに支配されている母れいむが、そんな理論的な説明を受け入れるはずがない。 いや、心の底では理解しているのだが、自分以外の誰かに責任を押し付けたいという無意識の願望が、その理解を阻害した。 再びお兄さんに噛み付こうとする母れいむ。あっさりと避けられ、蹴り飛ばされて川底に顔面ダイブする羽目になった。 「母親ならちゃんと教育しておけよなー。何も知らない赤ちゃん達はみんな、水に溶けて死んじゃったぞ?」 「ぢがぅ……れびぶは…ぢゃんどおぢえであげだも゛ん゛!れいぶのせいじゃない゛!!おばえがわるいんだぁ゛!!」 「いやいや、『ずっと水に触ってると死ぬ』って教えなきゃ、ちゃんと教えたことにはならないだろ」 「うるざいい゛い゛いい゛い゛い゛い゛いぃ……だまれえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛っぇえ゛ぇ!!!」 「だいたいさぁ、子供が死んだぐらいで怒らないで欲しいんだよね。死んだらまた作ればいいじゃん。 作るの簡単でしょ?すっきりー♪すればいいんだもんな。そこらへんのゆっくりとすっきりしてさっさと作っちゃえよ」 「ゆ!?ぶぎゅうぅぅ……ごろず…ごろじでやるぅ……ゆるざないぞお゛お゛お゛お゛お゛お゛っ……!」 ぶくぶくと泡を吹く母れいむを放置して、ばしゃばしゃと対岸へと渡っていくお兄さん。 ゆっくりすることも忘れ、自分が泳げないことも忘れ、川の深いところへ進んでお兄さんを追いかける。 家族の絆を踏み躙る心無い言葉に、母れいむの怒りは頂点に達していた。 「ゆっぐりにげるなァ!!ごっぢにごいィ!!あがぢゃんのがだぎい゛い゛い゛い゛ぃぃ!!!」 と同時に、母れいむの身体も限界に達した。 ブチャァ! 今まで無茶して跳ね回ったのが祟ったのか、耐久力の落ちていた皮は水分を吸ってあっさりと破れてしまった。 その傷口は大きく、一気に大量の餡子が川の下流へと流れていく。 「ゆっぐぢ…ごろず……おにーざん……ゆるじゃない!!」 もがけばもがくほど漏出する餡子。動かなくなる身体。遠のく思考。 「も……ゆるざ…ない……あがぢゃんを………ゆっぐりざぜ…………」 程なくして、母れいむの身体は完全に溶けきった。 驚くほどあっさりと。驚くほどきれいに。 そこに漂うのは、大きな赤いリボンのみ。 6匹いたゆっくり一家は、一匹残らず全滅した。 「あー涼しかった。さて、そろそろ晩飯の準備でもするか!」 お兄さんは、満足げな顔をしてその場から立ち去った。 (終) あとがき 赤ちゃんゆっくりが「ゆっくり~♪」とか言って遊んでる場面を書いてる時は、すごいイライラしました。 すぐストーリー変更して赤ちゃんをぶっ潰す話にしようかと思ったけど、鋼の理性で耐えました。 短くまとめようと思っていたら、いつの間にか20KB越え……ゆっくりしすぎちゃったよ!! ちなみにwikiを探したら『一家全員が水の恐ろしさを知らず、水の犠牲となる』作品がありましたね。 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2833.html
※極めてぬるいどころか虐待がないに等しい感じです ※登場するゆっくりはれいむ1匹です ※読むときはれいむの言動から表情や仕草を想像して下さい ※作者はゆっくりボールマンです れいむのすれ 1:かわいいれいむ 2008/12/16(火) 09 03 02 ID Yukkuri427 かわいいれいむがすれをたてたよ ゆっくりなんでもきいてね1 2:名無したんはゆっくりしてるよ! 2008/12/16(火) 09 22 04 ID DoSnoOneE3 クソスレ乙 氏ねよ! 3:かわいいれいむ 2008/12/16(火) 09 41 11 ID Yukkuri427 れいむかんじさんよめないよ ゆっくりひらがなさんでかいてね1 4:名無したんはゆっくりしてるよ! 2008/12/16(火) 09 59 39 ID Manjubenki かんじもよめないのにすれたてなんて・・・ おお、ゆっくりゆっくり(わらい) 5:かわいいれいむ 2008/12/16(火) 10 08 01 ID Yukkuri427 わらいはやめてね ゆっくりできないよ1 6:レイパーギネス 2008/12/16(火) 10 19 26 ID Kimexemaru じゃあ、そのかわいいれいむくんにしつもんしていいかな? れいむくんはいっしゅうかんになんかいすっきりしているのかな? 7:かわいいれいむ 2008/12/16(火) 10 31 00 ID Yukkuri427 ゆゆっ、いきなりえっちなしつもんだね おねーさんにすっきりきんしされてるからぜんぜんすっきりしないよ1 8:名無したんはゆっくりしてるよ! 2008/12/16(火) 10 37 09 ID DoSnoOneE3 うそつくなよ!ほんとうはかくれてすっきりしてるんだろ? ゆっくりごときがやくそくをまもるなんてりっぱなことできるわけがねぇ 9:かわいいれいむ 2008/12/16(火) 10 55 08 ID Yukkuri427 どうしてそんなこというの れいむもうおこったよ、ぷんぷん1 10:餡子Blood 2008/12/16(火) 11 02 42 ID Raperuzexe ID DoSnoOneE3はどうしてそうも 1に絡むんだ? 11:名無したんはゆっくりしてるよ! 2008/12/16(火) 11 13 55 ID Manjubenki もうおこったよだって おお、こわいこわい(わらい) 12:かわいいれいむ 2008/12/16(火) 11 30 48 ID Yukkuri427 わらいはやめてっていったでしょおおお ゆっくりできない11はゆっくりしんでね1 13:教会バイト 2008/12/16(火) 11 33 02 ID NechonoNo1 つうほうしますた 14:かわいいれいむ 2008/12/16(火) 11 52 01 ID Yukkuri427 ゆゆっ、つうほうってなあに 15:Red Princess 2008/12/16(火) 11 57 30 ID Petta/nnko れいむつかまる かこうじょおくり おねえさんもつかまる ひどいめにあう ぜんぶれいむのせい 16:かわいいれいむ 2008/12/16(火) 12 14 05 ID Yukkuri427 やめてねつうほうしないでね れいむもっとゆっくりしたいよ1 それとおねえさんにひどいことしないでね1 17:レイパーギネス 2008/12/16(火) 12 17 17 ID Kimexemaru おじさんとすっきりしたられいむとおねえさんをたすけてあげるよ! 18:餡子Blood 2008/12/16(火) 12 22 03 ID Raperuzexe 17 レイパーは氏ね じょうだんだかられいむはきにしなくていいよw 19:かわいいれいむ 2008/12/16(火) 12 32 57 ID Yukkuri427 ゆゆっじょうだんなんだね れいむびっくりしたよ 20:チョコレート 2008/12/16(火) 12 40 21 ID Tundereotu ・・・わたしもれいむにしつもんしていいかな? 21:かわいいれいむ 2008/12/16(火) 13 01 59 ID Yukkuri427 なんでもきいてね ゆっくりこたえるよ1 22:Red Princess 2008/12/16(火) 13 10 02 ID Petta/nnko じゃあ、ゆっくりがいちばんくるしむぎゃくたいをおしえてね! 23:教会バイト 2008/12/16(火) 13 11 00 ID NechonoNo1 わたしもしつもん! こどもをころされたときってどんなきもちなのかおしえてね! 24:かわいいれいむ 2008/12/16(火) 13 27 29 ID Yukkuri427 ゆっくりできないこときかないでね れいむもうおこったよ、ぷんぷん1 25:名無したんはゆっくりしてるよ! 2008/12/16(火) 13 33 33 ID DoSnoOneE3 こたえるっていったのに、れいむはうそつきなんだな さいていのゆっくりできないげすのくそのくずのゆっくりなんだな!! 26:名無したんはゆっくりしてるよ! 2008/12/16(火) 13 37 08 ID Manjubenki おお、うそつきうそつき(わらい) 27:かわいいれいむ 2008/12/16(火) 13 51 47 ID Yukkuri427 れいむうそつきじゃないよ どうしてそんなこというの1れいむゆっくりできないよ1 28:名無したんはゆっくりしてるよ! 2008/12/16(火) 13 55 20 ID DoSnoOneE3 http //www~(なんかのアドレス)~ これをみたかんそうをゆっくりおしえてね! 29:名無したんはゆっくりしてるよ! 2008/12/16(火) 14 13 44 ID Yukkuri427 そういうのはさわっちゃだめっておねーさんにいわれてるからだめだよ ゆっくりごめんね 30:チョコレート 2008/12/16(火) 14 17 31 ID Tundereotu し、しつもんをしてもだいじょうぶかしら? 31:チョコレート 2008/12/16(火) 14 19 24 ID Tundereotu ごめん、誤送信しちゃった・・・ ちじんへのくりすますぷれぜんとでなやんでいるんだけどなにがいいとおもう? そのひとはゆっくりがすきみたいだかられいむのいけんをさんこうにしたいんだけど 32:かわいいれいむ 2008/12/16(火) 14 33 03 ID Yukkuri427 それならかわいいゆっくりのあかちゃんをあげればいいよ みているだけでゆっくりできるからすごくよろこぶよ1 33:名無したんはゆっくりしてるよ! 2008/12/16(火) 14 40 29 ID DoSnoOneE3 それならしんしょうひんのまめゆっくりとかどうだ? せいたいでもぴんぽんだまサイズだからかいやすいし、むちゃくちゃかわいいぞ きっと、かわいいれいむ(わらい)なんかよりずっときにいってもらえるはずだ 34:チョコレート 2008/12/16(火) 14 47 39 ID Tundereotu まめゆっくり・・・そんなのもいるのね 33ありがとう、さんこうになったわ 35:かわいいれいむ 2008/12/16(火) 14 59 59 ID Yukkuri427 れいむにありがとうは・ 36:名無したんはゆっくりしてるよ! 2008/12/16(火) 15 07 34 ID Manjubenki かんしゃこじきとはあつかましい おお、みのほどしらずみのほどしらず(わらい) 37:かわいいれいむ 2008/12/16(火) 15 19 02 ID Yukkuri427 わらい、はやめてね ぜんぜんゆっくりできないよ1 38:餡子Blood 2008/12/16(火) 15 23 00 ID Raperuzexe まあまあ、しんこきゅうしてゆっくりしろw 39:名無したんはゆっくりしてるよ! 2008/12/16(火) 15 39 01 ID Yukkuri427 ゆっくりしんこきゅうするよ ゆっゆっゆー1ゆっゆっゆーっ1 40:教会バイト 2008/12/16(火) 15 42 41 ID NechonoNo1 ところで、いまさらだけど・・・ かわいいれいむはほんとうにゆっくりなの? 41:Red Princess 2008/12/16(火) 15 44 53 ID Petta/nnko だれもがあえてつっこまなかったことを・・・ 42:かわいいれいむ 2008/12/16(火) 15 56 57 ID Yukkuri427 れいむはゆっくりしたかわいいれいむだよ ゆっくりしんじてね1 43:名無したんはゆっくりしてるよ! 2008/12/16(火) 16 00 02 ID DoSnoOneE3 しょうこもなしにしんじられるわけないだろ! しょうこがだせないならうそつきもどうぜんだよ! うそつきれいむはありすにでもれいぷされてしまえ!! 44:レイパーギネス 2008/12/16(火) 16 00 28 ID Kimexemaru おっと、そのやくめはわたしがいただいた! さあ、れいむくん!おじさんとどろどろになるまですっきりしようね! 45:Red Princess 2008/12/16(火) 16 00 44 ID Petta/nnko もうゆっくりなんてみんなしねばいいのに 46:名無したんはゆっくりしてるよ! 2008/12/16(火) 16 11 11 ID Yukkuri427 どうしてそんなひどいこというの1 もうやだ、おうちかえる11 47:名無したんはゆっくりしてるよ! 2008/12/16(火) 16 30 04 ID Raperuzexe あーあ、お前らがいじめるから・・・ 48:名無したんはゆっくりしてるよ! 2008/12/16(火) 16 33 49 ID DoSnoOneE3 大丈夫、どうせ今頃何もかも忘れてるから 40 一応証拠を提示してみる (YOUTUBEに投稿された動画。鉛筆を咥えたれいむが一生懸命キーボードを叩いている) 49:餡子Blood 2008/12/16(火) 16 42 38 ID Raperuzexe 48 ID DoSnoOneE3 アンタが飼い主かよwwwひっでぇwww 50:Red Princess 2008/12/16(火) 16 44 17 ID Petta/nnko その発想はなかったわ 51:名無したんはゆっくりしてるよ! 2008/12/16(火) 16 48 03 ID Manjubenki おお、酷い酷い(笑) 52:レイパーギネス 2008/12/16(火) 16 52 31 ID Kimexemaru なんと言う肌艶のよい美ゆっくり・・・ 飼い主さん!お願いだ、れいむたんとすっきりさせてくれ!! 53:名無したんはゆっくりしてるよ! 2008/12/16(火) 16 56 38 ID Tundereotu 一体何がしたくてこんなことしたのよ(苦笑) 54:名無したんはゆっくりしてるよ! 2008/12/16(火) 16 59 56 ID DoSnoOneE3 いや、ちゃんと言いつけを守っているかなぁ~・・・と 一応守れているみたいだし、今日は何か手料理でも振舞ってやろうかな? ってことで 60、料理指定してね 55:レイパーギネス 2008/12/16(火) 17 00 00 ID んほおおおおおおお!おじさん、れいむとすっきりしたいよおおおおお! 56:Red Princess 2008/12/16(火) 17 00 55 ID Petta/nnko すっきりより虐待でしょ、常識的に考えて・・・ 57:餡子Blood 2008/12/16(火) 17 02 09 ID Raperuzexe 虐待や変態に常識もクソもあるか! 58:名無したんはゆっくりしてるよ! 2008/12/16(火) 17 02 50 ID Manjubenki 赤ゆっくりの踊り食い 59:名無したんはゆっくりしてるよ! 2008/12/16(火) 17 03 18 ID Kimexemaru おじさんのイチモツ 60:教会バイト 2008/12/16(火) 16 04 01 ID NechonoNo1 串赤ゆっくりのわさびだく 61:名無したんはゆっくりしてるよ! 2008/12/16(火) 16 05 50 ID DoSnoOneE3 60把握した 62:餡子Blood 2008/12/16(火) 16 10 02 ID Raperuzexe 言いつけを守った結果がこれかよw ‐‐‐あとがき‐‐‐ 以前、ゆっくりに虐スレを見せるネタをやったので、それを発展させてみた ゆっくりなら多少の妄言は笑って許せる自信があるぜ!いや、寧ろそこが魅力?
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1656.html
※ゆっくり? 何それ、おいしいの?てな扱いです 馬鹿です、アホです、餡子脳です あまつさえ下品です それでも読んで見たい変わったことはどうぞ 放屁 「ついに始まりました、 第1回ゆっくりオナラ選手権!! 司会は私、大丹 三雄(おおじ みつお)と」 「加工場所長の大鬼 太郎(おおおに たろう)です。皆さん一緒に最後まで盛り上がっていきましょう。」 村の広場で行われている馬鹿騒ぎ、これは恵みの神に感謝する秋の収穫祭である。 例年なら食べて飲んで終いなのだが、毎年同じでは神様も飽きてしまうだろうと今年から一興を講じることとなった。 様々な案が出されるなか、田畑に多大な被害を被るゆっくりに制裁を与えるようなものにすることが決まった。 そこからも饅頭早食い対決や、大虐待祭りなど様々な案が出たが、子供でも安心のソフトさとユニークさから屁こき大会が採用となった。 「それではルールの説明に入りましょう。ステージにはゆっくり達の詰められた密室空間が用意されております。 選手達はそこで放屁を行い、より多くのゆっくりにダメージを与えた選手の勝利とします。 次にダメージの判定ですが、悲鳴1P、涙3P、失神5P、そして絶命で10Pとなっております。 各ダメージは1匹につき1回までとし、またより高得点の判定Pにその都度上書きしてゆきます。 ケージには成体のれいむとまりさが15匹ずつ収められており、時間内に30匹全てを仕留めた場合には次のケージへ移って頂きます。 また制限時間内、選手達には薬品以外のあらゆる飲食が認められております。食べ合わせを上手く使って行きたいところですね。 では続いて選手の説明をキタローさん、お願いします。」 「はい。今回参加する選手は4名で、虐待お兄さんAさん、Bさん、Cさん、Dさんとなっております。 事前に各選手に今回の作戦を聞いておきましたので、ここで紹介したいと思います。 まずAさんですが、大量の野菜を摂取してきたそうです。中でもポイントは芋だそうで、これによる物量作戦を取る模様です。 これに対しBさん、Cさんは肉や魚をメインに摂ってきたそうで質重視のようです。これは一撃に期待がもてますね。 さいごにDさんですが、彼はバランスよくいつも通りの食事をしてきたようです。何でも大切なのは平常心だそうです。 各選手ごとに工夫がみられ、この大会にかける意気込みが伝わってきますね。」 「実にいいですね。ではこれより、屁こき3時間一本勝負を開始します。用意・・・・・はじめ!!」 号令と共に各選手が動き出した。そして一番にケージに向かったのは・・・ 「おおっと、初めに動いたのはA選手のようですね。」 「流石野菜による物量作戦を謳うだけはありますね、好調な出だしです。」 「よう!ゆっくりさせてもらうぜ!!」 「ゆゆ!? おにいさん、ゆっくりしないでまりさたちをここからだしてね!!」 「まあまあ落ち着け・・・れみ、りあ、ぶー☆!!!」 ぶぼおおぉぉぉ!!! 「「「ゆぎゃあああああああ!!?」」」 大きな爆音ともなっていたこともあり、ゆっくり達にかなりのショックを与えた。 「いやー、実にいい音ですね。会場が揺れんばかりです。」 「何とも健康的な放屁ですね、保健の教科書に載せたいくらいですよ。」 Aはケージを後にし芋を食べ始めた。残されたゆっくり達は一様に悲鳴をあげ、いくらかのものは涙を流している。 「もう次のチャージに移っています、見事な切り替えの早さですね。」 「ダメージ自体は少ないですから、どれだけ数が撃てるかが焦点となってきますね。」 そして次にうごいたのがD 「おっと、次に来たのはD選手ですね。」 「はい、バランスの良い食事の成果を見せて頂きましょう。」 「ゆゆ!!ゆっk「ちょいと失礼、5ー4ー3ー2ーちゅーりっプゥ・・・」 プゥ・・・ 「「「ゆぎゅいいいいいいぃぃぃ!!?」」」 じっくりと、だが確実に効いている。 「おーっとこれは素晴らしい、有無を言わせぬ早業だ!!」 「完璧に計算されつくされていますね。放屁自体も派手さはありませんが堅実さを感じさせる落ち着いたものですね。」 「ええ、流石平常心ですね。しかしこうなってくると、残す2名の選手にはプレッシャーですね。」 「どうしても練成までに時間がかかってしまいますからね。ですがその分一発に大きな期待ができます。」 しかし両名は動かない。いや、動けないのだ。必死に腹筋やマッサージを行うものの成果は中々現れない。 その間にも着実とAとDは放屁を重ねていった。 彼らのケツが輝き唸る。その都度、ゆっくりは耐え難い臭気と恐怖に包まれ白目を剥き黒い泡を吹き激しく痙攣した。 そんなこんなを繰り返し、残り時間は着実に削られていった・・・。 「おべぼぼぼぼぼぼぼ!!!!もっどゆっぐり・・・じだが・・・た・・・」 「最後のまりさが餡子を吐き切り絶命が確認されました。これでD選手は1ケージを完全制覇となります。」 「いやぁ、凄まじいですね。見事なもんですよ。」 湧き上がる観衆に対し、笑顔で手を振るD。まだまだ余裕が伺える。 一方Aは予想外の自体に見舞われていた。手数、もとい屁数こそ多いものの、如何せん一撃の威力が低い。 すでにケージ内のゆっくり達は全て気絶させているのだが、致命傷にはいたらない。 これらを仕留めるためには、それこそケージ内の酸素をオナラと総変えでもしないと難しいだろう。 ここではじめてAの顔に焦りが浮き始めた。そして次の瞬間 「来た来た来た来たついにキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!よもや終盤、ここでようやくB選手が動き出しました!!!」 「これは期待できますね、目がはなせられません!!!」 Bが大きく息を吸うとケージに向かって歩き出したのだ。 これには司会の2人も観客一同も、そして敵である3選手も息を殺し見入った。 「すー・・・はー・・・」 「・・・・・・・・・・」 会場を静寂が包み込む・・・そして硬直。 一体どれほどたっただろうか? 周囲の我慢も限界に達しようとしたころ、ついにそれは起こった!! 「「「・・・・・!!!!!?????」」」 なんとケージ内のゆっくり達が激しく暴れ始めたのだ!! あるものは顔面が擦り切れんばかりに顔を床に擦り付け、またあるものは眼球が破裂しそこから餡子が噴出した。 だが奇妙なことに1匹として声を上げるものは無かった。正確にはそれすら敵わなかったのだ。 暴れ狂う饅頭と飛び散る餡汁・・・・・さしずめそこは処刑場か。 数分後、永遠にも感じられた地獄は終幕を迎え、そこには一人佇むBが残された。 「こ、これは一体どういうことでしょう? ゆっくり達は一体何故こうなってしまったんでしょうか? これははまるで魔法や気功のようです・・・まったく理解できません・・・。」 「・・・そうか!!B選手はきちんと放屁を行っていたんです!!!」 「そ、それは一体どういうことですか!?音も無くゆっくりを殺すなど・・・・まさか!!!!」 「気付きましたか。そう、彼はスカしたんです・・・!!!」 そう、Bはすかしっ屁により一切気取られる事無く仕事を終えていたのだ!!! Bは笑顔を浮かべた、それは一仕事やり遂げた男のものであった。 ウオオオオオォォォォォォォ!!! 会場を割れんばかりの歓声が包み込む!! 他の3選手も悔しそうではあるが、それ以上に感動した笑顔で拍手を送っていた。 「しかし驚きましたね、まさかスカしてくるとは! 私まだ興奮がさめませんよ!!」 「ゆっくりどころか会場の人間全てに悟られないとは・・・いやはや、実に恐ろしいほどのアサシンテクニックですね。」 何とも末恐ろしい男である。こんな男が現れるとは、改めてこの大会のレベルの高さを実感させられる。 「さて、残す時間も僅かになってまいりました。A選手は仕留め切れるのか! B選手は再度装填しD選手を追えるのか!」 「D選手の最後のふんばりが鍵ですね、体力的にも限界でしょう。もはや精神力の戦いです。」 「おおっと、ここで依然沈黙を守ってきたC選手が動き出しました! だが何やら様子が変です。」 「何やら懐から、ビンを取り出しましたね。薬は禁止されていますし、あれは一体?」 「これだけは使いたくなかったのだがな・・・・・」 そうつぶやきCはそれを一気に飲み干した。 グゴギュルルルルルルル、彼の腹から地獄の獣の叫びのような音が響いてきたではないか。 「ただいま資料が届きました。彼が服用した物質についてですが・・・・・何と牛乳です!!」 「牛乳ですか!?」 「はい、それも試合開始からここまで懐で人肌に温めたぬるい牛乳です。しかも更に恐ろしいことに・・・・・ なんと三日三晩常温で放置したすっぱい牛乳だそうです・・・!!!」 「!!! そ、そんな危険な!!! 彼は命が惜しくないんでしょうか!?」 「それだけこの試合に賭けているんでしょう・・・その決意に漢を感じますね!!」 Cはすばやくケージに駆け込み 「破ァァっっっ!!!!!!」 ブビィッ・・・ 「「「!!!!!???」」」 それは小さいものであったが、それはどこまでも水っぽく、そして鉛よりも重い響きを秘めていた。 閃光一閃、刹那の瞬きのまにゆっくり達は全滅した 「な!!!ななななな何と言う早業!!! 最早人間のなせるものではありません!!!」 「これが腹を括った男の底力なのでしょうか!!! その気迫やまさに鬼神です!!!」 だが男はここで止まらない!!! 足早に次のケージへ踊りこんだのだ!!! 「わあああああああ!!!止まらない!!!止まりませんC選手!!!」 「まるでここが最後の戦場と言わんばかりです!!!彼は死ぬ気なのか!!!??」 「ゆぐうぅうう!!?? なんなのおにいさん、ゆっくりしてよー!!!」 Cの気迫に押されてゆっくり達はすでに涙目だ。そしておもむろに男は尻を向け ブビィッブボボボボボボボボボッモワッビヂャビヂャビヂャ・・・・・!!! 「「「・・・・・・・・・」」」 「・・・・・・・・・」 「・・・・・ゆっぎゃああああああああああ!!!!!???? な”に”ごれ”ええええええええぇぇぇぇぇ!!!!!!!」 「「「ごっぢごな”い”でえ”ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!?????」」」 「・・・・・・・・('A`) 」 Cの体はもはや限界であった。 だが彼は命を賭けてこの戦いに挑んだのだ。 そして・・・見事に散った・・・ ケージ内では顔面に『実』をたっぷりとつけたれいむが暴れ周り、全てのゆっくりを巻き込んでの地獄絵図が繰り広げられていた。 そしてその中心ではCが真っ白に燃え尽きていた、その顔はとても安らかなものであったと言う・・・ 「無茶しやがって・・・・・・・」 「彼は最後まで立派に戦い抜きました、我々がこの事を忘れることは無いでしょう・・・・・」 会場がとてつもない悲しみに包まれる・・・ C選手としては1秒でも早く忘れてもらいたかったのだが、この事件は後世まで語り継がれることとなった・・・ そして・・・ 「3・・・2・・・1・・・そこまで!!! これをもって試合を終了とします!!!」 「残念ながらA・B両選手追いつくことが出来ませんでした。そして、おめでとうございます!!! D選手見事優勝です。」 パチパチパチパチ・・・惜しみない拍手が彼を包む、観客は総立ちとなり涙を流すものも少なくなかった。 「ありがとうございます!! 最高の気分です!!!」 D選手は大きく手を振り皆に応える 「今の気持ちを誰に伝えたいですか?」 「無論、C選手です。彼は残念なことになってしまいましたが、彼は最高の戦士でした。 正直皆さんは私が彼に勝ったと思っていませんでしょうし、私自身そう思っています。 今回、私は彼に人として多くのことを学びました。可能ならばこの感動を伝えたいです。」 「そうですね。この場に彼は居ませんが、その言葉を聞いていなたらきっとよろこんでくれたでしょう。」 そうして会場は再度感動の涙に満たされた。 ちなみにCは家に帰って風呂に入ってた そして 「表彰、D殿。貴君はこの度の大会で見事多くのゆっくりを撃滅し王の座を勝ちえたことをここに称える。」 「ありがとうどざいます、 謹んでお受け取りいたします。」 そういって賞状を渡されるDは『素面の屁コキング』として皆から熱い歓声を受けた。 「次にC殿。貴君はこの度の大会で自身の命を賭けて見事最後まで戦いぬいたことを称え、ここに敢闘賞を与える。」 「・・・・・・・(´・ω・`)」 そういって賞状を渡されるC、人々がこの日のことを忘れることは決してないであろう。軽く鬱った。 「それではこれを持ちまして、第1回ゆっくりオナラ選手権を閉会と致します。 選手の皆様、そしてそれを見守った観衆の皆様、最後までお疲れ様でした。 来年度も我々は皆様の参加を楽しみに待っております。それではまたの日まで!!」 こうして大会は幕を閉じた だが戦いは始まったばかりである、もう1年もすれば決戦の日は巡ってくる 人々は来るその日に向けて、己を磨くのであった・・・ 終われ ムクドリ( ゚д゚ )の人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1746.html
注意!!! 虐待じゃなくて・・・実験って感じです 「委細承知」な色男や「どんとこーい!!!」な上○次郎教授な方 どうぞご覧下さい 「よし、出来た。 さて、今度こそ・・・」 フラスコを満たす赤い液体をまじまじと見ながらくっくっと笑う。 「ここはれいむたちのゆっくりプレイスだよ!!! おじさんはさっさとでていってね!!!」 いつもと変わらぬ風景。畑に居座るゆっくり。そして ぐちゃっ! 「ゅ"っ、ゅ"っ、ゅ"っ」 「あがぢゃんがああぁあぁぁぁ"!!!」 ぶちぃっ!! 「まだあがちゃんがああぁぁ!!! ゆがあ"あぁぁ"ぁ! どぼじでごんなごとするのおおぉぉおお!!!」 人間に殺されるゆっくり達。 残り一匹。親れいむが残った。 畑の主は親れいむの髪を持ち上げ、木に叩きつけようとしたそのとき、 「おーい、その処刑ちょっと待った」 里の方から呼び止める声 「あんたか、なんだ?」 「そのゆっくり殺すなら私にくれんかね?」 「・・・なぜ?」 訝しげに尋ねる主。 「実験に使いたいんだよ。私の所のはこの前の実験でほぼ全滅してしまってね。謝礼も用意した、これでどうだね?」 それは今回のゆっくりによる襲撃の被害額よりも明らかに高額の現金だった。 「まあ、そう言うことなら良いが、またこいつがこの畑に来たら?」 「そのときはこいつが始末するさ」 指さす方向からやってくるのは黒い帽子をかぶったゆっくりまりさ・・・をかたどった「ロボまりさ」である。 「さて、実験台も揃ったし、始めようかね」 ゆっくり研究所と書かれた建物内で寛ぐこの建物の主。 「父さん、今度のは成功するの?」 「当たり前だ、この私を誰だと思っている! あと、博士と呼べ馬鹿者!」 受付で暇そうにしている女性との会話は久方ぶりのものであった。 博士は今回の実験の為に3桁以上のゆっくりを犠牲にし、博士自身の健康も犠牲にし、薬を作っている。 お陰で研究所内のゆっくりは全滅した。 「おらぁっ!」 ぐしゃっ! 「ゆぎゃああああぁぁぁあああ!!!」 博士は死の直前までれいむを暴行し、そろそろ死ぬであろうところで透明な箱に押し込み、オレンジジュースをかける。 そして、森の入り口までれいむを運んでいく。 「ゆ"ああ"ああ"あ!!! ごべんなざいいいぃぃぃ!!! れいぶをだずげでえぇぇぇぇ!!!」 博士に箱から出されるときに命乞いをするれいむ。 博士はここまで回復すれば大丈夫だな。とつぶやき赤い液体を注射器にセットし、れいむの頭に注射器を突き立てる。 「いだいいいいぃぃぃ!!! だずげでぇぇぇぇぇ!!!」 どがっ 博士は赤い液体を注入し終えるとれいむを森に向かって蹴り上げた。 れいむは泣きながら森へと消えていき、その後をロボまりさがついて行った。 行列の出来るゆっくり 「ゆっぐ、もうにんげんのところにはいかないよ・・・」 ひとまず安心できるところまで移動し、その辺の草を食べ、回復をまつれいむ。 正面にいるロボまりさには気付かない。 このロボまりさにはドスまりさの「ゆくりしてない相手には見えなくなる」能力が備わっているためだ。 しばらくれいむがゆっくりしていると、むこうから普通のゆっくりまりさがやってきた。 「ゆっくりしていってね!!!」 しばらく二匹は一緒にゆっくりした。 れいむが川へ移動するとまりさはれいむの後に付いていく。 途中、ゆっくりぱちゅりーと出会う 「ゆっくりしていってね!!!」 挨拶もそこそこに移動を続けるれいむ、ぱちゅりーはまりさのうしろにくっついて着いてくる。 「ごーく、ごーく、しあw・・・ゆっ?」 「はぁ、はぁ、れ、れいぶうううううううぅぅぅ!!!」 「ゆぅーーーー!!! こっちこないでねぇぇぇぇ!!!」 発情中のありすはれいむを襲うかと思われたが横を素通りし、ぱちゅりーの後ろに着いた。 「ゆっ? ゆっくりしていってね!!!」 れいむは挨拶するがまりさもぱちゅりーもありすも返事をしない。 れいむは気味が悪くなってその場を離れるが全員が付いてくる。 「こっちこないでね!!! ついてこないでね!!!」 それどころか途中出会ったゆっくり全員が一列になってれいむの後に続いた。 れいむが草を食べているときも、水を飲んでいるときも、排泄するときも、寝るときも 特に何をするでもなくれいむの後をただただ付いてくるゆっくりたち。 れいむはもちろん逃げようとするが、全員がぴったりくっついてくるため逃げ切れない。 逃げる途中に出会ったゆっくりは列の最後尾に並んでれいむを追跡する。 「ゆっくりできないよぉぉ・・・」 行列が出来てから三日目、異変が起き始めた。 れいむの背後にいたまりさとぱちゅりー、ありすが力尽きて倒れたのだ。れいむ以外は食事も睡眠も取らずただただ行列に並んでいた為である。 れいむはこれで行列が途切れると確信した。 しかし、死んだゆっくりの分だけ後ろのゆっくりが前に詰めるだけで行列はそのままだった。 「もうこないでね!!! れいむをゆっくりさせてくれないゆっくりはさっさとしんでね!!!」 ついに我慢の限界だと言わんがばかりに行列に攻撃するれいむ。 声も出さずにあっさりと殺すことが出来た。だが、行列の数が明らかに多すぎる。 どんなに頑張っても行列を全滅させることは出来ないだろう。 れいむは早々に諦めまた森をさまよう。 そして、人間の住処と思われる場所にたどり着いた。 畑には柵が設置してあり、侵入できそうにない。 「ここは、お兄さんの畑だ! さっさと出てけ!!!」 番ゆっくりが歯をむき出しにし、威嚇している。 「うるさいよ!! れいむをゆっくりさせてくれないゆっくりはさっさとしんでね!!!」 番ゆっくりに襲いかかるれいむ。しかし、がぶっ「ゆ"っ!」ひゅん「ゆ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"!」べちゃっ「ゆ"っ"!」 あっさりとカウンターを喰らうれいむ。 れいむは行列のゆっくりのように簡単に殺せるものだと思っていたが、栄養失調になりながら付いてくるゆっくりとはさすがに訳が違った。 番ゆっくりはさっさと人間の下へ逃げ、人間を連れてきた。 番ゆっくりの飼い主である青年は驚いていた。 ゆっくりれいむを先頭に大量のゆっくりが一列に並んでいる。 しかも、畑を荒らそうとするのでも、番ゆっくりを攻撃しようとするでも、ましてやれいむを助けようとするでもなくただただついて行っているのだから。 れいむは自分を攻撃した番ゆっくりに対して特別な感情を抱き始めていた。 いままでのゆっくり達は誰もが自分の後を付いてくるが、このゆっくりだけは自分の後を付けてこない。 もしかしたらこのゆっくりとならゆっくりできるかも知れない。 「ゆー! yぶぎゃっ!!!」 しかし、この行列を気味悪く思った青年に思い切り蹴り飛ばされる。 規則正しくれいむの軌跡を辿りながら森へ飛ばされたれいむを追跡する行列。 青年は棍棒で行列のゆっくりを叩き潰すが列は乱れることなくれいむを追跡する。 青年が行列のほとんどを潰した頃にまたれいむがやってきた。 自分の列に加わらない番ゆっくりと仲良くするためだ。 森を抜けようとしたそのときにれいむは激痛と共に宙に浮いた。 れいむを監視し続けたロボまりさの口から細いアームが伸び、れいむを貫いて持ち上げたのだ。 「いだい"っ!! おぞらどんでるみdゆびゅっ!!!」 激痛に喘ぎながら「おそらをとんでるみたい」という台詞を言おうとしたが、 言葉を紡ぐ前にロボまりさの頬から伸びたカッターによってスライスされ、生涯を終えた。 「ゆっ・・・? どぼじでごんなどごろでみんなじんでるのおおぉぉ!!!」 「いやあああぁぁぁ!!! まりざのあがぢゃんがあああぁぁぁぁ!!!」 行列の先頭のれいむが死んだことにより、行列のゆっくり達が正気を取り戻したが、青年に叩き潰されたゆっくりを見てパニックを起こした。 青年は疲れた体で構わずゆっくり達を叩き潰していく。 ゆっくり達は今まで食事も取らずにただひたすら行列に並んでいただけのため、栄養失調になり逃げ切るほどの体力など無くなっていた。 結局、青年から逃れられたゆっくりは数匹だけとなった。 ロボまりさは青年から逃れたゆっくり達を追跡していた。 やがてゆっくり達は他のゆっくりと合流し、先ほどの青年の事を話し、一緒に移動を始めた。 一列に並ぶ様子はない。 その後ろ姿を確認したロボまりさは口の端からクワガタのはさみのようなカッターを露出させ、そして・・・ 「如何でしょう」 「素晴らしい、これさえあればわざわざ職員全員でゆっくり狩りをする必要が無くなります!」 ロボまりさが記録した映像を見る二人の男。 一人はロボまりさの産みの親であり今回の薬を発明した博士。 もう一人はゆっくりの確保に頭を悩ませていた小さな加工所の所長。 「ではもう一度この薬の効果を、 この薬を摂取したゆっくりはある種のフェロモンを発生させる そのフェロモンは他のゆっくりから全ての本能を奪い取り、ただフェロモンの発生源のゆっくりを一列になって追跡するだけの存在になる。 食欲、睡眠欲、性欲、ゆっくり欲、そして生存欲さえ無くなる フェロモンの発生源が死ねば効果はなくなる。 発生源が死んだあと、行列に並んでいたゆっくりはフェロモン発生源にはならない。 ゆっくり以外の生物にはこのフェロモンは効かない。 飼いゆっくりの付けているバッチにはフェロモンを無効化する効果がある。 おおまかに言えばこんな所ですな。で、お値段はこのくらいで・・・」 加工所からすれば、この薬を適当な一匹に使って外に離せば、 勝手に大量のゆっくりを引き連れる大行列となり、職員はそれを捕獲するだけで大量のゆっくりを手に入れることが出来る この薬は加工所だけでなくありとあらゆる所に売れた。 加工所がない人里では、放置すれば勝手にゆっくり達が餓死すると言うところに目を付け、畑荒らし対策として、 虐待、虐殺など各種お兄さんはゆっくりの確保用に。 大量に増産したこの薬は博士の売り歩きが終わる頃には一生遊んで暮らせるほどの金となった。 「さて、次は何の研究をしようかな・・・、その前にアイツにたまには何か買ってやるかな・・・。」 今回の研究を成功させ、次の研究の内容をあれこれ考える博士の顔は、新しい遊びを夢想する少年のそれであった。 終われ 後書き 最後までお付き合いいただきありがとうございます。 この前見た「世にも奇妙な物語」の「行列の出来る刑事」をモチーフにして当SSを書きました。 悪のりで書いたような作品です。 今まで書いたSS ドスまりさとゆうか1~3 ゆっくり闘技場(性)1 不幸なきめぇ丸 名物餡玉 このSSに感想を付ける